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Arista Ortho Litho3というフィルム

先日、というよりも今年始めに、為替相場が少し円高に傾いて、ギリギリKodakの値上げが始まる直前。
いつもフィルムを仕入れている米国B&Hで、今年使うフィルムを色々と物色していた時に、前々から気になってたフィルムがフと目に入りました。

Arista Ortho Litho3というフィルムで、何よりの特徴は
「とにかく安い」
というポイント。

なんと100枚パックで約3,800円くらい。1枚40円程度。
もう大判フィルムとしては破格のお値段です。
ILFORD FP4+の4x5版は、25枚で52ドル。1枚で250円とかそれくらいだと考えると、なんと1/6のコストです。

ただ、買うまでにはいろいろな難点がありました。
・ISO感度がわからない
・現像とかどう出来るのかわからない
・大判カメラでの実績がよくわからない
というポイントです。

前評判というか、色々英語のサイトから情報を仕入れて見たところ
・ISO感度は3
・現像はD-76でイケる
・大判カメラで使うことは出来る
・でもペラいよ
・超絶ハイコントラスト
といった感じです。

そこで、試しに買って使ってみました。

テスト撮影した1枚 EV値=9の環境で、F値8、シャッタースピード4秒

色々試してみたところ、心配だった相反則不軌は「1秒以上は+1段~1.5段」くらいの設定で良さそうです。

そしてArista Ortho Litho3は、いつも使っているモノクロフィルムがパンクロマチックであるのと違い、オルソマチックに分類されるフィルムです。
オルソマチックは「赤い光に反応しない」という特徴があります。

なので、赤いシクラメンを撮影したテストの一枚では

若干の逆行で赤いシクラメンを撮影

こんな感じで、花は真っ黒になります。

他の屋外の撮影テストでは

逆光でデコポン
ガラスのボトルを撮影

ガラスのボトルを撮影した一枚が最新の1枚ですが、だいぶ使い方が分かって来た気がします。

屋外での撮影を試してみましたが、ハイコントラストさはキッチリ発揮されています。

明るいところは白飛び、暗いところは黒つぶれと、モノクロフィルムの「階調」といったものが見当たらず、さらにArista Edu Ultraなどと比較して相当にペラい、といった特色があります。

かなりクセが強くて、使いどころが難しくはありますが、ハイコントラストな写真を好む方や、このハイコントラストさを表現の要素として利用したい、という方にはかなり面白いフィルムだと思います。

ちなみに、現像の際はILFORDのID-11を1+3希釈で6分30秒~6分10秒。
定着もILFORD RAPID FIXで5分といった具合で、きれいなネガになりました。
現像時間をもうちょい短く、6分ジャストとかにすれば、ある程度階調を保った状態で撮影できるかもしれません。

これは良いフィルムを見つけました(`・(エ)・´)b


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