Rittreck Viewの真の実力を引き出したい
我が家で大活躍している大判カメラ、Rittreck Viewは4x5フォーマットだけでなく、5x7フォーマットでも撮れるカメラです。
普段は4x5で撮る事がほとんどですが、5x7フィルムやフィルムホルダーも持っていまして、ごくごく稀に撮る、といった程度になってました。
理由は単純、5x7のフィルムバックを以前MDF材で作ったんですが、加工精度の問題でかなり使いづらいものになっていたからです。
で、以前糸紡ぎ機を作ったのと同じような感覚で
「3Dプリンタで作れば高精度で、しかも軽いものができるんじゃね?」
という軽い気持ちとノリと勢いと手持ちのMDF板、そしてどこのご家庭にもある透明アクリル板と耐水ペーパーを駆使して作ってみました。
とりあえずサイズを測って
A:フィルムホルダーをはめ込むベース
B:フォーカシンググラスを取り付けるパーツ
C:Bのパーツを押さえるためのバネ
D:フォーカシンググラス
のパーツを設計します。A~Cは3DCADで、Dは転がってた1mm厚の2L判サイズのアクリル板があったのでこれを使ってみます。
耐水ペーパーの800番から初めて、1000番までを使って磨いてみたんですが、結論から言うと写真にある程度の荒らし具合では、フォーカシンググラスとしてはほぼ使えない状態でした。
バネ部分は金属で作ることも考えましたが、同じPLA樹脂製で少し薄めのパーツを作ってみたところ、以外な事にうまく行ってくれました。
で、樹脂製のパーツをMDFに木工用ボンドで接着して、実際にカメラに取り付けてみたのがこちらの図。
これまで使っていた金属製ベース+MDF材のフィルムバックと比較すると、かなりの軽量化が出来ています。
あとはフォーカシングと光漏れの有無の確認なんですが、
擦りガラスの擦り面に投影される像があまりにも薄く、レンズの光が邪魔して構図などを確認できませんでした。
結果、構図を確認するのに相当苦労しますが、冠布をかぶればある程度は像が見え、またルーペを当てればフォーカスの確認程度は可能でした。
が、この部分は実用的とは言えない状況です。
実際撮影してみての換装にはなりますが、バネがやはり少々弱いようでした。この点については、バネの取り付け向きを上下逆にすることで反発力を強めるようにしています。
反発力が弱くなっても、まぁ3Dプリンターでいつでも出力できると思えば、かなり気が楽です。
そして肝心の撮影結果は
とりあえずフォーカシングは大きな問題なし、光漏れも特に見当たらず、といったところでした。
フォーカシンググラスさえちゃんと出来れば、実戦投入して問題なさそうです。
「コレでイケる!」
と確信が持てたら、今回作ったフィルムバックの3D出力用のデータはThingverseかどこかで公開してみようかなと思います。
今回フィルムバックの作成+フォーカシンググラスの作成を試してみて、ある程度手応えを得られましたので、いろいろ応用が効きそうな気がします。
理論上、マミヤの6x9フィルムホルダ用のフィルムバックも作れたりするかもしれません。
蛇腹も自分で作ることが出来るようになったし、あとはフレームさえ作れるように慣れば、大判カメラそのものを作るのも夢では無いかもしれません。