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25年1月≫2月 早くも胸の活動高まる。    昨年末からの骨盤開閉の“準備運動”も活発。 ← 気候変動への適応のキモ

1月下旬、胸の中から >> 体表 >> 腕への気の流れ高まる(昨年は4月から)
→ 免疫活動の安定へ向けて流れを促す(+長〜い夏への準備反応?)

昨年から続いている夏の疲れの名残り(胸に熱がこもった状態)は未だに続いています。この胸中心部の“気づまり”は、免疫系の働きを不安定にし、アレルギー症状・炎症が過剰に起きやすくなります。

風邪を引いたりインフルに罹ったりして一旦炎症が起きるとなかなか止まらなくなって、鼻炎や、1ヶ月以上咳が残ったり、「咳喘息」のような症状が続いたりする。「身のまわりで咳が止まらない人がずいぶんいる」と言う人がまだ多いです。

このところの身体の状況を少し整理しておきましょう。

まず第一には、昨年夏は異常な猛暑に対応して胸をゆるめ、さらには肩甲骨も骨盤もゆるめて放熱しやすくするという反応をしました。あまりに長い酷暑の後、秋・冬になってもまだ放熱しきれず、胸の中にまだ熱がこもっているという身体の状況が越年で続いています。

そして第二に、生活環境(広い意味での生態系)の免疫の前線に変動が起きていると見ることもできます。

身体の直接的な免疫前線は、ウィルスや菌を含む環境物質や食べ物と接触する、皮膚や口-喉-消化管です。そこには環境に生息するすべての生物や細菌・ウィルスなどのあいだの生態系バランスがあり、免疫活動があり、免疫前線が生成するわけです。最近話題になりやすい「腸内フローラ」も免疫前線を含む生態系です。

コロナ禍の中での徹底的感染症対策から復旧する中で細菌やウィルスを含む生活環境の生態系が不安定化しているとも言えそうです。様々な感染症が”一斉開花”のような様相です。
もう少し視野を広げて見れば、この数年鳥インフルエンザのパンデミックが続いています。2024~25年シーズンは記録的殺処分数になると言われています。鶏卵も高騰しています。

そういうわけで、身体もこの環境を”無事に”生きのびるのになかなか大変なわけです。
アレルギーとは無縁と思っていた人たちまで含めて、多くの人たちが風邪症状に続いてアレルギー的症状が長引く状況です。胃腸の不調が続く例も多いです。

ところが一方、少数ながら逆に、例えば咳喘息による睡眠不足に悩まされていた人がインフルエンザに感染し、回復する中で咳喘息が治ったという例がありました。まさに野口晴哉の言う「風邪の効用」です。インフルのからの回復の過程で胸に弾力が生まれて胸から発散しやすくなり、過剰な免疫反応が鎮まったわけです。

つまり最近の身体の状況は、野口さんの言うように「風邪を経過してスッキリする」というとおりにはなかなか行きにくいのですが、”風邪”を「上手く経過する」可能性もあるわけです。

身体は懸命に対応しようとしています。
昨年も4月から胸の中から腕へ向かう気の流れが高まりましたが、今シーズンはすでに1月から始まっています。

今年はスギ花粉の飛散も東京で1月中旬に確認されました。花粉症を軽減するためにも胸から腕への気の流れは良くしておきたいです。
早くからの胸から腕への気の流れの活発化は、“長〜い夏”に向けて胸をゆるめて放熱しやすくなるための準備が進んでいると見てもいいと思います。

アレルギーの春へ向けて胸からの発散を促す(長い夏への準備にもなる)

胸をゆるめて胸の熱を発散

左手三里+右陽谷 (軽く重ね合わせる)
右陽谷ー胸の中心に響く
左手三里―肩甲骨の周りをゆるめる
胸の中温かくなる→肩の上・腕の周り涼しくなる
→ 胸から腕への気の流れも頭から足への気の流れもスムーズになる
左合谷+右手三里(軽く重ね合わせる)
合谷
首付け根をゆるめる
→ 頭から足への気の流れスムーズになる
首の付け根・みぞおち → 下腹温かくなる → 前頭涼しくなる


骨盤の開閉運動は変動を生き抜くキモになる

骨盤の開閉を促す
胃経の気の流れと足三里からの発散


昨年の春から6シーズンぶりに活発になった足三里の動きに注目しています。昨年末から骨盤が大きく広がる動きも、足三里を中心とする気の流れ(胃経の流れ)が激しく、胃経の筋肉(=大腿直筋)がギュッと縮んで、骨盤を広げる方向に引っ張ることによるものです。胃経の気の流れが何か必要があって激しくなり、流れがつかえて筋肉が縮んでいるのです。

頭から足へ流れ下る胃経の気の流れは骨盤の開閉を促します。元々四季のリズムの中では春に活動が活発になって身体のバランスのリセットを促すのですが、近年の環境変動の中ではこれからもくり返し活躍しそうです。

この数年間の“長〜い酷暑”の中では、春だけでなく、夏の間も骨盤を大きくゆるめて胸からの放熱をアシストする動きが目立ちました。骨盤の大きな開閉は身心のリセット、さらには環境変動への適応の動きのベースラインでもあります。

昨年の夏バテの名残がまだ胸の中にしぶとく居座る冬でしたが、今年も長〜い夏へ向けて骨盤も準備運動を始めているようです。

昨年春までの6年間、足三里の反応が不活発に見えたことにも何か理由があったのだと思います。(2000年代の足三里の活動については近著「変動を生きのびる整体」(ちくま文庫)にまとめてあります)

胃経の気の流れを促し、骨盤の開閉をスムーズにする「腰椎4番の疲れとり体操」

仰向けでカエルのようなポーズ
お尻を持ち上げてみて一番軽くなるように
膝を曲げる角度を調整
(基本的に右膝を余計に曲げる)
左右の足のズレの大きさも調整
(ズレが大きくなっても構わない)
お尻を持ち上げてストンと落とす
しばらくリラックス
尾骶骨から背骨が温かく
脚の周りは涼しくなる


内踝から下腹を温める

寒暖差が激しくなる春の初め内踝が冷えに敏感に反応して、足元から下腹を温める働きが活発になります。内踝から下腹を温めることで、頭や胸からの発散を促しましょう。

内踝同士を反応させて身体の内側から温める
(軽くすり合わせるような動きをするとより温かくなる)
内踝→内腿→骨盤底→下原温かくなる
→ 下腹が温かくなるほど頭や胸・肩の周りは涼しくなる


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