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0歳児ちゃんとあそぶ

0歳児ちゃんと遊ぶときは、最初は、無理せずに距離を縮めるようにしている。

私としては、0歳児ちゃんに遊んでもらいたい気満々なんだけれど(そう、こちらが遊んでもらっている)、相手はそうではない。始めましての人に対して慎重になるのは当然だし、その時の機嫌も、気分も、分からない。
様子を見ながら、少しずつ距離を縮めて、近づいても大丈夫そうになってから、初めて目を合わせ、「この人は心をゆるしてもよい人なのかな」と、思ってもらえるようにする。無理はしない。

大丈夫そうになれば、ひと安心。
0歳児ちゃんが何を好きそうか、何だったら楽しく遊べそうかな、と考えながら、興味を持ちそうなものを手の届くところに置いてみる。

彼らが自分で握れるもの、操作できるもの(引っ張るとか、めくるとか)、動きのあるものに興味を持つことが多い。
コマも好き。動きをじっと目で追ったり、触ってみたりする。コマがなければ、コップつみのコップも、回せる。

興味を持ったものに、どう関わるかも1人1人ちがう。
すぐに手を伸ばして触りたくなる人。クチで触りたくなる人。じーーーっと見ている人。それぞれで、いい。手を伸ばす子どもは好奇心旺盛とか、じっと見ている人は観察力がある、とか、何か意味付けする必要もない。

今日一緒に過ごした0歳児ちゃんは、しばらくじっと周りの様子を見ていたあと、少しずつ周りのものに手を伸ばし始めた。
両手にコップ積みのコップを持ち、2つをおそるおそる、というように、コツコツ、と鳴らし始めた。

そういう時は
「コツコツ、って音がしたね」と声をかける。
私も真似をして、違うコップを2つ、コツコツと打ち鳴らしてみる。
コツコツ、コツコツ、と満足いくまで打ち鳴らしているうちに、何かしらおしゃべりもはじめた、「あー、わーぅ、あーぅ。」などと言う。

私も分からないなりに、「あー、わーぅ、あーぅ。」と真似をしてみる。0歳児ちゃんの行動を真似して、言葉も真似しているうちに、彼女の表情がリラックスしてくるのが分かる。

ずっと2人で一緒にコップをコツコツと打ち鳴らしているうちに、出会ってすぐの時には、ずっとあたりを見ているだけかと思っていた0歳児ちゃんが、声をあげて笑うようになった。

0歳児ちゃんとこんな風に過ごせると、とても幸せな気持ちになる。
特別なことは何もしていないけれど、気に入った遊びを一緒に遊び、何かおしゃべりしたら、それを繰り返す。そんな風に関わるうちに、0歳児ちゃんとの距離が縮まる。それが嬉しい。

そして、初めて子どもと共に過ごしているお母さんお父さんたちにも、「こんな感じでいいのよ」とお伝えしていきたい。特別なことはない。こどもと同じ行動を繰り返し、言葉をオウム返しにする。それだけで、子どもたちは充分に喜んでくれる。

0歳児のうちは、どんな風に遊べばいいのか検討がつかない、というご相談を頂くことも多いのだけれど、そんなに難しいことではない。子どもの好きなものを一緒に観る。子どものマネをする。それでいい。身構えなくても大丈夫。

大事なことは、育児書やネットの情報ではなく、まずは子どもと関わろうとすること。そして、子どもたち自身はどう感じているのかな、と思いめぐらすこと。それができれば、ごくごく小さな子どもたちと共に過ごす時に、きっと、不安よりも楽しさの方が大きくなっていくんじゃないかな。

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