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保育の実践って言うのは日常の積み重ねなんだな

『ロボット・カミイ』という童話を活用した保育の実践の記録を見た。

先月まで神奈川近代文学館で展示していた古田足日さんの展示の中の一部。
『ロボット・カミイ』の実践は、パネルにして2枚くらい。そんなに詳しいことが書いてあった訳ではない。

そこで書かれていたことは、
ロボットカミイという、段ボール箱で作ったロボットの童話を読んだこと。それを読んで、園でもロボットを作ったこと。

まぁ、ここまではよくある話。

でもその園では、自分たちのカミイをクラスの一員として大事にしていく。そうすると、カミイの友達を作ったり、ペットを作ったりする。日常の中に、いつもいつもカミイがいる。

そして、卒園式にカミイが出席している写真があった。

あぁ、こういうのが実践なんだな、と思った。
絵本を読んで、それを元に制作したり遊びにつなげたり、ということはよくあるけれど、それをどこまで大切なものとして育てていけるか。
そういうところで、大人がさりげなく環境を整えていくことが大事なんだろうな。

無理強いではなく、子どもたちが自然と、そういう活動をしたくなるように。

この園では、何年も何年も、こうやってカミイをクラスの一員として過ごす活動を続けているという。それもいいな。その年だけで終わるのではなく、毎年の積み重ねから、大人たちが気づくことがきっとあるのだろう。毎年続けるからこそ、むしろマンネリにはならず、きっちりした土台の上に安心して、その年その年の子どもたちに合わせた活動を作っていけるんだろうなぁ。

保育の実践って、短い期間のお祭りでもないし、記録に残せるような華やかなことばかりではなく、1日1日の当たり前の日常の積み重ねの中にこそ、あるものかもしれないなぁ、と気づく。
卒園式の写真を見て、感動してしまった。

この実践例に出会ったことが、私が展示会に来た意味だったんだな、と思った。


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