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手作りおもちゃの遊びは「作る」ところから始まってる

絵合わせカードは、私と息子が作った中で最高傑作のおもちゃです。

第一子の息子が小さい時は、手作りおもちゃというものへのふんわりとした憧れも抱いていたし、小さい子どもが何で遊ぶのか、まだ実感として知らなかったこともあり、あれこれ作ったり試したりしてみました。布で作った人形みたいな気合の入ったもの。ペットボトルにビーズを入れた定番のもの。タッパのフタに穴をあけた保育園でよく見かけるもの。牛乳パックを切り抜いただけの手作りとも言えないようなもの。(でも、意外と、そういうモノの方が良く遊ぶこともある。)
その中の最高傑作が、絵合わせカード。

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なんてことない、白い紙に絵を描いただけです。

最初は、私の名刺入れに興味を持ったことがきっかけです。なるほど、カードが沢山入っていて、色々な色がついていて、面白いんだね、と気づきました。とはいえ、名刺はおもちゃに提供する訳にもいかないので、厚紙を名刺サイズに切り、私の描ける絵を描いたものを、どうぞ、と渡しました。(厚紙は、洋服やタイツを買った時に型崩れしないように入っているものを工作用に捨てずにストックしています。)
その時、厚紙の切れ端が余ったので、なんとなくカードに描いたのと同じ動物の顔を描いて、切り抜いてみたんですよね。(何の意図もなかったんです。)そうしたら、動物の顔とカードを見比べて、「これと、これが、おんなじだねー」というのを見つけて、とても喜んだ。育休中だから、0歳の頃の話です。

もともと、絵本を何冊も広げて、「この絵本に出ているコレと、こっちの絵本のコレがおんなじだねー」とでも言うように、見比べて教えてくれるのが好きな人でした。そうか、同じものを仲間にするのが楽しいんだね、と気づいて、そこから、あれこれと作ってみたのです。

写真のものは、3代目です。この時は、プリンターで自作するための名刺用紙を使いました。ミシン目でぴりぴり切れば、名刺サイズのカードが沢山作れます。べんりー。
何を描こうかと、息子と相談しながら、絵を描きました。色を塗る時は息子も一緒に塗りました。そうやって作ったカードは、息子もよく遊んだし、私にとっても何やら思い入れの深いものになりました。

ところで、このカード、私にとっては手作りおもちゃの最高傑作だったので、3歳半年下の娘が小さい時にも、一緒に遊ぼうと思って出してみたことがあります。
ちっとも興味を示しませんでした。

その時に、やっと気づいたのです。これが最高傑作なのは、息子がその時に好きなことに合わせて作り、しかも、2人で一緒に作った時間があったからなんだって。私たちにとっては、何が楽しいかを見つけたり、相談したり一緒に作ったり、あれこれと試してみた時間の全てが遊びで、その過程の楽しい想いが集約されたものが、形になって残ったのですね。

手作りおもちゃの魅力は、作ったことそのものではなく、手作りする過程であり、手作りするために相手のことをよく観察する視点なのだと思います。自分たちで作るから、作った後も、どんなところを楽しんでいるだろう、もっとどんな風に改良したら、今の楽しいことがもっと続くだろう・・・と、あれこれ観察してみます。だからいいんだと思うのです。

最初に触れた「牛乳パックを切っただけ」というのは、牛乳パックの側面と底に穴をあけて、台所の入り口に設置されたベビーゲートにくっつけただけのものです。側面からお手玉を入れると、下からぽとん、と落ちてくる。それだけです。でも、台所にいる私のことが見える位置にいたい時に、ちょうどいい遊びだった。だから、「ただ牛乳パックを切っただけ」なのに、意外とよく遊んだのでしょう。モノの良し悪しではなく、今、その子が欲しているものが何か、ということに寄り添うことができるのが、ポイントなんだなぁと思います。

考えてみれば、子どもに関わることって、どれも同じかもしれません。手作りであることや、時間をかけることがいいのではなく、そこに、子どもの状況を慮り、寄り添う視点があることが大事なんじゃないかと思います。子どもの状況を観察してみて、売っているあれが、今ちょうどいいね、と思って選ぶならば、充分にすてきなことだと思います。手作りだから「いい」んじゃない。子どもに今必要なものは何だろうと観察する視点があるから「いい」んですよね。

もし、手を動かして何かを作ってみることが、お母さん/お父さん自身にとって楽しくてわくわくすることなら、お子さんと一緒の手作りおもちゃは作るところからまるごと楽しめるすてきな遊びになります。ぜひ、試してみてくださいね、とおすすめしたい。でももし、作ることがちょっと好きじゃなかったり、まだそんな余裕がなかったとしても、何も引け目には感じないでいいと思います。自分の余裕の中で、お子さんの様子を見て、今、どんなものがあったら楽しめそうかなぁ、と考える。その目線さえあれば、選んで買ったおもちゃも、充分に「その子だけのもの」になりますよ。

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