新しい生活が始まる4月。入園や入学、進級やクラス替えと、新しい友達との出会いに、ドキドキする時期でもあります。
そこで、4月は〈あの子も この子も みんな ともだち〉というテーマで絵本をご紹介します。と言っても、今回ご紹介する〈あの子〉や〈この子〉は、かなり多彩な顔触れですよっ!
まず、4月のテーマを〈あの子も この子も みんな ともだち〉にしようと思った1冊から。
誰かのことを、つい先入観で見てしまうことがあります。「きつねだから」「たぬきだから」「どこの出身だから」「見た目が○○だから」・・・のように。でもそれは、相手のことを〈知らないから〉だと思うのです。知らないから、ステレオタイプで判断してしまう。でも、その人と向き合い、知り合えば、属性としてのその人ではなく、人としての魅力を知り、友達になれる。
私は、この『こぎつねコンとこだぬきポン』の話は、ステレオタイプで判断せずに個々と向き合えば、分かり合うことができるよ、ということを伝えてくれる1冊だと思っています。(物語そのものは、そんなに堅苦しいものではなく、コンとポンとその家族の姿が、愛らしくユーモラスに描かれています。)
新しく出会う人には、今まで会ったことがないタイプの人や、今まで会ったことのない属性を持つ人もいるかもしれません。そんな人たちとも、理解を深め、分かり合えたらいいな、と思うのです。
知ればコワくない。一緒に遊べば楽しい。そして、すぐに友達になれます。
そして、お互いに本気で向き合い、本気でチカラを出し、本気で遊ぶと、そこには認め合い、尊重しあう気持ちも生まれるのですね。
こんな風に考えていると、子どもたちは「友達」のことを、自分にとっての大切な仲間として、自分と同じく懸命に生きる存在として認め、真摯に向き合っているんじゃないかという気がします。
いかがでしたか。
〈あの子〉も 〈この子〉も、みんな 友達なんですよね。
新しい出会いがすてきなものになりますように。