6月と言えば梅雨の季節。
子どもたちにとって、雨は、すぐ隣にある非日常なのか、良い絵本がたくさんあるんですよ・・・と言って、昨年、雨や傘にまつわる絵本を存分に紹介しました。
さて、今年はどうしようかと考え、6月10日「時の記念日」にちなんで、「時間」にまつわる絵本をご紹介します。
ところで、本を紹介する前に、改めてお伝えしたいことがあります。
それは、絵本を読むときは、子どもに何かを教えよう、身に付けてもらおう、と思うのではなく、純粋に楽しんでもらいたい、ということです。
特に今回、〈時計〉をテーマにした本を調べていて、「子どもたちが正しく時計を読めるようになる」ことを目的に本を選び、何かの教材やドリルのように、本を使って教え、できたかどうかをテストする、という読み方をしている人が、かなり大勢いるらしい、ということに気づきました。気づきました、というのは、「時計が読めるようになりたいと思って買ったけれど、うちの子にはまだ早すぎた」「●歳には難しい」「説明が多くてつまらない」などという感想を、多々目にしたからです。
そして、少し悲しい気持ちになりました。
私は、絵本は、楽しむために読んでもらいたいと思っています。
誤解のないように付け加えると、何かの知識を得ることや、何かができるようになることも、子どもたち自身が「知りたい」「できるようになりたい」と思えば、充分に〈楽しいこと〉です。
例えば、数字を覚えたばかりの子どもが、時計の文字盤を見て、知っている形があることに気づき、「3があるよ」「4があるよ」と読めることは、とても嬉しいことです。もっと知りたい、と思って時計の絵本を読んで、時計を読めるようになれば、なおのこと嬉しいに違いありません。自分の知っていた何かと何かが結びついて、新しいことが分かるようになるのって、本当にわくわくしますよね。
更に、時計の読み方が分かるようになったときに、「3時はおやつの時間だね」などと、生活の中の嬉しいことと結びつけば、世界の捉え方がもう1段クリアになっていくのです。楽しいと思います。
何かを知ることや知識を得ることは楽しいことだけれども、子どものタイミングが熟していない時に、無理やり覚えさせようとしても楽しくないですよね。だからこそ、こういう〈何かが身につきそうな絵本〉こそ、楽しいから読む、という大前提を大事にして頂きたいと思います。
さて、前置きが長くなりました。
「時間」の本、ご紹介していきますね。
まずは、一見「時間」とは関係なさそうな絵本から・・・。
続いて、時計の読み方に出会える絵本をどうぞ。偶然にも、『みんなでね』と同じ作者、まついのりこさんの本です。
時間の流れというのは、いつも一緒とは限らないですよね。退屈な時はゆっくり流れるし、楽しい時はあっと言う間です。では、この人の時間は、どんな風に流れていたんでしょうね?
時間を過ぎていくものではなく、重ねていくものとして、可視化した絵本もあります。
「時間」を科学的な視点から考えることもできます。
そして最後に紹介するのは・・・
いかがでしたか。考えていくと奥が深い「時間」。
こんな風に、本を選んでいるだけでも、「時間」を考えることって、「生きる」ことを考えることと近しいなぁと感じました。
自分の心に余裕のある時に、じっくり考えながら読んでみると、新たな気づきがあるかもしれませんね。