お、なんか庶民的。政治家がチャリに乗ってる?!
昨今、自転車で選挙活動を行う政治家が増えているようだ。
選挙活動は、街頭演説や選挙カーで宣伝しながら走ったりするイメージがあるが、その選挙カーで走るところを自転車で活動している候補者がよく見られるようになってきた。
今回の統一地方選挙でも、各地で自転車選挙活動が見られたようである。
なぜ自転車を使う?
なぜこのように自転車で選挙活動を行うか、各候補者は、動画やツイッターで配信しているが、どうやらその理由は候補者と近くなるためのようである。
神奈川県のある市議会の候補者は、選挙カーで活動するよりも市民の反応がいいということも語っていた。
また、自転車は自動車のように排気ガスを出さないため、環境に良いことをしているというアピールもしているという。
実は、選挙カーにかかる費用は、選挙を行う自治体から公費として支出されるため、その狙いは、選挙の経費を削減するためではなく、候補者としてのイメージアップや市民との距離を縮めることにありそうである。
自転車選挙活動はじめたのは誰?
さて、全国に広がり始めている自転車選挙活動であるが、その元祖は河村たかしという現名古屋市長である。
河村市長が代表を務める地方政党、減税日本のウェブサイトの彼のプロフィールによると、すでに27年前から自転車で選挙活動をしていたようである。河村市長はもともと1990年の衆議院選挙に立候補し、その時は当選しなかったものの、次の1993年の選挙で衆議院議員に当選し、5期の間勤めた人で、その後名古屋市長になってから現在は3期目を迎えている。
その間の選挙は常に自転車で選挙活動を行ってきたようで、自転車選挙活動のパイオニアであるといえるだろう。そんな彼は、庶民からのたたき上げ政治家で、「自転車の方が市民と距離が近くていいのだ」と語っている。
法的にどうなのか
20数年前から始まり、全国に広がっている自転車選挙活動であるが、どうやら公職選挙法に違反している可能性もあるようだ。
公職選挙法140条では、街頭演説や候補者の名前の連呼などは原則禁止になっており、例外的にその行為が認められているのは、選挙カーの上と船舶だけである。
ここには自転車に関して例外とする条文がないため、自転車に乗って演説することや名前を連呼しながら宣伝して走ることは公職選挙法に違反すると考えられる。
また、ウェブ上の自転車選挙活動の動画を見てみると、荷台にのぼりを立てて走っているところが見られるが、どうやら道路交通法10条における軽車両の高さ制限2メートルを超えている場合は違反となるようである。
一方でこれらの法律では、選挙活動を自転車で行うということを前提としていないため、このような規定になっているだけで、法律が意図する違反にはなっていないはずだから、実質的に取り締まられることはないとは考えられるが、時代に合わせて法律も変えていく必要があるとは考えられるかもしれない。
法的に時代の流れを汲んでいきたいところではあるが、選挙グッズを扱う企業ではすでに、自転車の荷台に拡声器を置きやすいような台や、看板を付けられるような道具などが販売されており、自転車選挙活動向けをターゲットとした商売は始まっているようである。
時代が変わると選挙活動も変わる
時代が変わるにつれ、選挙活動も変わっていくということが、この自転車選挙活動を知ってみてわかることである。自転車での選挙活動は、候補者と市民が近くなるという効果もあるから、それによって投票の質、民主主義の質も上がるならば非常に良いことであると思われる。これから自転車での選挙活動はより一層の広がっていくかもしれない将来、市民と政治家の距離も近づき、より質の高い選挙、政治が実現されることを願いたい。
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