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循環させたい。

振り返ると、親や社会に対して、酷く反抗をしてきた人生だった。
けれど、親や社会に、酷く恩義をかけてもらってきた人生だった。

そして、恩を受けた人に恩を返すことは出来ないなぁ、と常々感じている。
それは、川の水が下から上へ流れるようなもの。自然な流れではきっとないのだろう。


場所、時間・空間、情、物質、知識・情報、言葉、エネルギー…
何であっても、それらは全てが財産だ。

仕事となった場合、労働力に対しての価値の還元として、
それらのものを受け取ったとしても、ある種の公平さが成立する為、心に納まりがが良い。


ところが、労働から外れ、受け取ったものは、
本来ならば、受け取るに値しない恵を受け取ることとなる為に、自然、感謝の念が溢れてくるものである。

溢れてしまったものは、返したい。


だから、恩を与えてくれた者に直接返したいところなのだが、大概納まりが悪い。
礼を述べることが出来たとしても、礼は恩には満たない。


そして、だいたい、恩をかけてくれる者は、見返りを持たず、
見返りを持たない者に、必死に受けた恩を返そうとて、容易に受け取ってはくれない。
あまつさえ、その行為自体、あなたの恩は迷惑ですよと言ってしまうことにさえなりかねない。


では、どこにそのバランスを見出そうかというと、やはり流すことなのだろうと思う。
川の水が上から下へと流れるように、自然に。
自分の出来る範囲で、ちゃんと還元していくことが出来ると、自分自身にも他者にも自然な喜びが満ちていく。


私は、循環させるのがどうにも下手だ。

なんだか頂きっぱなしの人生な気がする。

だから、私なりに社会に還元出来ることは還元していきたい。

人に対して、社会に対して自然と還せるところには、還していきたい。

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