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卑屈なオンライン授業奮闘記2〜休校初日

前回のお話
https://note.com/miee2018/n/n7b91d9f8c317

子供たちに休校の話をしたのは2月28日金曜日だったが、実際の休校は3月2日からだった。
土曜日と日曜日は首相の休校要請にかかわらず休みなので、休校に含めるつもりはない。
そもそも土日だから、検温報告も近況報告も必要ない。
私は土日は働かない派。ただし自分が不甲斐なくて仕事を終われなかった場合は別。

3月2日の月曜日は朝から休暇をいただいていた。娘の高校の卒業証書授与式に出席するため。
首相の休校要請までは、普通に卒業証書授与式を行う予定だったこの高校。かなりコロナの感染が拡大していたにもかかわらず、直前まで祝賀会を開催しようとしていたのには心の底から驚いた。私は実行委員だったので1週間ほど前に祝賀会開催の確認の電話をしたのだが、当然のように「やる」と言われたときには、思わず「まじですか」と言ってしまった。まあ、最終的には中止になったのだけどね。

直前まで、普通に在校生を出席させ吹奏楽部にお祝いの演奏をさせようとしていたので、危機感の違いに驚いたものだった。
私の息子は吹奏楽部員なので、親としては姉の卒業式に息子が演奏するというのは、極めて理想的なシチュエーションだったのだが、どう考えてもあの状況で平常通り卒業証書授与式を行うのはありえないと思った。
結局休校要請を受けて、卒業生と保護者、教員だけの卒業証書授与式になった。
出席者は皆マスクをつけることを依頼されていたので、卒業生も保護者も先生たちも、みんなマスク。ただ1人マスクをしていない人がいたのには驚いた。はっきりとは書かないけど、我々にマスク着用の依頼文を出したはずの人。何かこだわりがあったのだろう。

式典が終わり、娘が戻って来るのを車の中で待っていた時、私のApple Watchがブルブルと震えた。ふと目をやるとFlipgridの投稿通知。
確認するとうちの学級の子供の1人が、検温の結果と体調、そして一日どのように過ごしたのかを報告する投稿だった。

さすが私の学級の子供たち。休校中でも、親の端末でも、Flipgridを使いこなしている。
おそらく日本で一番Flipgridを使いこなしている子供達。教育ライターのみなさん、取材依頼お待ちしております。うかうかしてると、うちの学校は閉校しちゃうよ。

うれしくなった私は車内からその投稿へ返事の動画を投稿した。するとそれが呼び水になったのか他の子供たちからも、どんどん近況報告の投稿が。

おそらくだけど、当時、日本で最も早く、休校中にオンラインで子供たちとつながった事例の1つであると思っている。
誰も褒めてくれないし、誰もすごいと言ってくれないし、取材も何も来ないけれど、青森の田舎の50歳の平教諭が、先駆けてオンラインで子供たちとつながったのは事実だ。
まあ、最もすごいのは、それを即承認してくれたうちのボスなのだけどね、

私は公僕だから、成果や実績をお金という形で評価されることができない。
だから、すごいと言われたりメディアに取り上げられたりするのが最高の報酬なの。
下衆で私利私欲の塊だから、子供達の成長だけじゃ満足できないのよ。
そして、それを公言するから、敵がどんどん増えちゃうんだけどね。


それはさておき、休校中のFlipgrid活用はこうして順調に始まったのだった。

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