事務担当による科研費申請書チェック①(Web入力項目)
毎年恒例、科研費申請書の事務チェックの季節がやってきました。
私は事務担当者として、研究者が作成した「研究計画調書」を事務的に確認し、必要に応じて修正依頼をしています。
事務的、というのは、正しい様式が使用されているか、要領に沿った記載がされているか、ページ数が勝手に増減されていないか、変換誤りや文字化けがないか、などを確認することで、研究内容に関わる記載部分について言及することはありません。
応募数が多い基盤研究(C)を例にして、科研費事務目線の科研費申請書のチェックポイントをいくつか紹介します。
細かいところではありますが、採択されるためにはこれらの点もしっかり押さえておいて損はないはずです。
まずは【Web入力項目】から
1.開示希望の有無
採択されなかった場合の審査結果を電子申請システムにて閲覧できるよう、必ず「審査結果の開示を希望する」を選択していただきます。
2.学位
研究代表者自身で最終学歴を入力してもらうのですが、たまに「あり」「なし」と入力する方、分野のみを入力する方、空欄のままの方がいます。
皆さん最低でも「学士」のはずですから「なし」はあり得ません。
学歴に応じて「修士」「博士」へ修正いただきます。
研究分担者についても同様です。
こちらは修正のために分担者へ差戻しを行い、修正、再度承諾をしてもらうよう依頼する必要があります。
3.役割分担
特に研究分担者については「調査」「集計」「実験」といった単語のみでは不十分です。
研究代表者、研究分担者がどのように協力して研究を行うのか、それぞれの関連がわかるよう、もう少し具体的な記載をお願いしています。
4.各経費の明細及びその必要性
・設備備品費
設備備品の定義は研究機関の規程によりますので、金額・耐用年数等で確認いただきます。
「設置機関」は機関名=(例)○○大学と記載します。自分の所属講座名ではありません。
・消耗品費
消耗品=物です。
印刷物を作成する場合、用紙は物なので「消耗品」です。
その用紙に印刷をするための費用=印刷費は「その他」へ計上いただきます。
他にも通信費、運搬費、会議費、外注費などは全て「その他」経費となります。
・国内旅費 外国旅費
ごくたまにですが、国内出張、海外出張とだけ記載されたものを見かけます。
こちらは資料収集・各種調査・学会参加など、何のための出張なのかをしっかり記載した方が良いです。
5.研究費の応募・受入等の状況
こちらの欄は今回からPDFファイルに出力されなくなったため、事務チェックの対象外となりました。
国内外を問わず、競争的研究費のほか、民間団体からの助成金、企業からの受託研究費や共同研究費などの研究資金について全て記入することになっています。
研究費については、申請者本人が受け入れ自ら使用する研究費の額を入力します。
次回は【添付ファイル項目】のチェックポイントを紹介したいと思います。