コロナウイルス:パリ、ニューノーマルでカフェライフが戻る。

88歳のマチルドは恐怖に容易に打ち負かされない。今週営業を再開した地元パリのビストロのテラスに座って、数時間、炭酸飲料が入ったガラスは朝陽を受け、汗をかいている。彼女は少しづつそれを飲んだ。

「この時を待っていた」と彼女は言う。 「人に囲まれること、もう一人でいなくても良い時を。」

マチルドはそのためにちょっとおしゃれもしている:プリントされたドレス、完璧にスタイリングされた髪。

ここではこれまでも人前に出る時は常に少しだけ努力を要した。カフェやレストランの場合は、座席、新しい掃除手順、どこにいても手指消毒器の新しいルールが必要となった。

「もちろんこわいわ」と10最年下の友人、アニーは言う。「でも、ご存知のように、私たちの年齢では残り時間があまりないので、もうしのごの言わずにやるしかないの。」

無人化したパリはなぜそのアイデンティティを失ったのか

多くの人は、パリのバーやカフェが再びオープンしたことについて安堵しており、 テラスもいっぱいになっている。フランスの文化の歴史家そして作家でもあるジョアン・デジャンは、この街の空虚さについて、特に封鎖中は特に痛ましいと感じたと語っている。パリは視覚的な運命があるからこそ:「パリは意図的に通りの人々からの視点で設計されている、すなわち視覚的に見られ、楽しむように作られている」と彼女は私に言った。「庭園やセントルイスの素晴らしい家々もすべてを見ている歩行者がいなければ、彼らは存在理由を失います。」

ロックダウン中に、無人化した都市で特に撮影されたところは2つの都市があったと彼女は言う。ヴェネツィアとパリである。 ヴェネツィアは観光客を失った街をみせるため。パリは人々が楽しんでいる姿を失った街が、(パリであることを)認識することさえ難しい姿が写し出された。

「私はもっと好きになりました」と、パリに長期滞在するデルフィーヌは言う。「鳥のさえずりが聞こえるようになった。私はロックダウンが終わることに対してブルーになりました。通りに人が戻ってきたことに少し攻撃された感じも受けました。」

日常に徐々に戻ることで摩擦も起きている模様。

デルフィーヌには2人の若い娘がおり、サクレクール寺院の近くに住んでいる。ロックダウンが緩和され始めた頃、彼女や他の若い両親たちは、子供たちのサッカーを見るために、モンマルトル通りまでキャンプツールを持って出かけた。そこで男が窓から身を乗り出し、「自宅で仕事をしているので、静かにして欲しい」と言われた。

「彼の後ろから、彼の妻が『帰れ!』叫ぶのが聞こえた」とデルフィーヌは言う。 「明らかに彼らは限界に達していた」

すべてのパリジャンが不幸だったわけではない

パリのコーチン病院の精神科医であるアレーン・カドウリ氏は、ロックダウンを好む人の数に驚いたと言う。「社会的関係を恐れている人は、封鎖中に安全だと感じた」と彼は説明する。「恋愛が複雑だと感じる人は、葛藤を感じることもなく、十代は家でビデオゲームやSNSを思い存分できることを喜んでいた。」

だが、彼が勤務する病院の看護師たちの経験とでの一般市民との間には大きなギャップがあったと彼は言う。

「10人に1人の看護師が封鎖中に攻撃された」と彼は言う。「感染のリスクがあるからと、隣人からアパートを出ていくよう言われた人もいた」と語る。

日常が戻ってきている今、精神的な疲労困憊が現れている人もいる言う。「彼ら全員、第二波を恐れており、すでに疲れ果てている」と彼は言う。「階段を上ることが困難になったという30歳の看護師から話を聞きました。」

今日のパリで誰が重要な人なのか?

Rolande Marielはコーチン病院に勤務する看護師である。医療崩壊の危惧がなくなり、Covid以外の患者が治療再会に戻る中、公的支援が弱まっているようだと彼女は言う。

「患者は戻ってくれば、いつものように攻撃的になっている」と彼女は言う。「彼らがそのように振る舞うなら、毎晩私たちのために拍手することは役に立たないことを彼らに言いました!人は記憶力は短い。 バタクラン[テロ攻撃]の後、警官は英雄だったのに、今では(警察に)殺されるとみんな思っている」と語った。

数か月にわたる社会的、経済的昏睡の後、この街は再び活気を取り戻し、パリにとって誰が重要であるかという感覚が入れ替えられた。

ある研究者が言ったように、あなたにとって最も価値がある人は?と言う問い:自宅で働いているトップエグゼクティブか、それともお母さんに食べ物を届ける人か。

近年の黄色ベストの抗議の際にも明らかだったことが、さらに明白となった:パリを働く人々ーーゴミ収集家、列車の運転手、教師、看護師ーーはここには住めない。

「かつてのように戻ることはありません」と地理学者のLuc Gwiazdzinskiはいう。

裕福なパリジャンの多くは、首都から田舎の家に引越し、在宅勤務を考えている(ロックアウト中にもすでに多くが引っ越した)。

パリがフランス経済を支配している国で、小さな地方の町へ利益がシフトするかもしれないと彼は言う。しかし、それは首都での生活にとって何を意味するのでしょうか?

「パリは不死鳥のようなもの:また生まれ変わります」と彼は言う。パリは単に経済的なハブではなく、ロマンチックで創造的な世界を持っている。愛とロマンスの首都としてのイメージは損なわれていません。ただ、ここに実際に住んでいる人々にとってはそれとは違う世界なのでしょうが。」

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