傷つけたくなくて深く傷つけた#18 もう元には戻れない
卒業式はみんな涙涙で終わった。
ゆうはこれから起こる何かが怖くて、ただただ静かに時がくるのを待っていた。
なつからメールがきた。
"今日は一人で帰るね。また連絡するから。"
なつくん、、
私のこと信じてるからそう言ったんだよね。
私は自分の中に二人の人がいることに気づいた。
危険な道に行きたい自分と、温かい幸せが欲しい自分。
怖かった。
優しい幸せをくれるなつくんのことを好きな自分もいる。安心感、安らぎ、温もり。
でも、あのどうしようもなくのぼるを好きな自分もまだいたんだ。傷ついて、傷だらけの自分が心の暗い部屋の中で、まだ泣いていた。
私はめるちゃんのこと、全然怒れない。
いい子ぶってのぼるやめるちゃんを避難することで自分を守っていた。
そう気づいたときには、もうカラオケの部屋に来ていた。
のぼるは中でケータイいじって待ってる。
扉が開くとこっちを見た。
ゆうはなんでか、涙が止まらなかった。
のばる「おいで。」
あの時と同じ笑顔。
この自信満々なのぼるが、私は好きだった。
のぼる、私がここに来て嬉しい?
本当にここに来てしまうような私がいいの?
空いた空白の時間を埋めるようにキスをした。
のぼる「あいつ、、ムカつく。」
なつがつけたと思われるキスマークを見たのぼるは苛立って、ますます力が強くなった。
もう何がなんだかわからなかった。
また私は、みんなで笑いあってる日々を思い出して涙が止まらなかった。
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