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行きは良いよい帰りは怖い、個人事業の開業よりも廃業が大変だった話
2024年8月19日に個人事業主としての申請をしました。そこから約半年、色々と活動をしたものの廃業することにしました。そのことについてお話します。起業したときの記事はこちら。
廃業を選んだ理由
半年足らずで個人事業主を廃業するわけですが、そもそも活動という活動ができていませんでした。個人事業主としての登録は簡単にできましたが、その後の活動が定まっていませんでした。今の活動ができず、副業収入がない状態で放置していても良いことはないため廃業することにしました。これまで、「とりあえずやってみる」ということで行動してきました。一方で、自分にはどんな価値が提供できるかという部分が弱かったです。廃業から1ヶ月以内に手続きが必要ということで、来年の確定申告をしなくて済むように12月廃業としました。
パソコンからの廃業手続きが大変だった
個人事業主の開業手続きはMoneyForwardクラウドで申請すればあっという間に行うことができ、何も苦労した記憶がありませんでした。
一方、廃業手続きはサポート外です。廃業するとMoneyForwardとしては収入が入る可能性もありませんし、無料でサポートするメリットはありませんからね。
まずはWEB版のe-Taxから新規申請できないか確認
どうやらWEB版のe-Taxからフォーム入力で申請用紙を作ることはできなさそうでした。仕方なく、開業の際に申請したxtxファイルとPDFファイルをダウンロードしました。申請用紙自体は簡単でExcelやWord等でちゃちゃっと編集できたらすぐに提出できそうなのに、原本はPDFしかありません。申請書をパソコンで編集するにはデスクトップ版のe-Taxを使う必要がありました。
Windows環境が必要で仮想環境を使う
私はMacユーザーですが、e-Taxが使えないということです。私の場合、Power BI Desktopを使うためにWindowsの仮想環境を持っているので、問題ありませんでした。でも、今どきWindowsしかダメというのはどうなのでしょう。Macユーザーは紙申請するしかないということになりますね。
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Macがダメな理由は前世代的なアプリだからだった・・・
デスクトップ版のe-Taxの環境構築をしてみてびっくり!ドットで作られたようなアイコン、使いやすいとは言えないユーザーインターフェース。色々と苦労する点がありました。
デフォルトだと個人事業主開業・廃業届フォーマットは入っていない。それ以外のフォームも同様
追加インストールでフォームを入れていくのだが、多くのフォームから該当するフォームにチェックを入れる必要がある
どの項目が必要なフォームかわからない
まとめてチェックするものもない
チェック項目1つにつき確認画面が出てくる
おそらく何十年も変わっていないユーザーインターフェースなので、いつも使っている人は何も思わないのでしょう。しかし、私は最近のアプリに慣れているので使えるようになるだけで一苦労でした。使いこなすのは諦めて税理士さんが書いていた以下のサイトを参考にしました。開業・廃業届は申請の中の所得税を追加インストールすれば良いようです。
開業届をベースに申請書を作ろうと試みる(失敗)
アプリの環境が整い、ようやく作成に着手。この時点で紙で書いた方が早いと思い始め、少しイライラし始めました(苦笑)。作成 - 申請・申請等 から 組み込み を選択すると既存のxtxファイルをベースに編集できそうでした。「組み込み」の言葉もわかりませんでしたが、最近のアプリでいう「読み込み」でした。読み込めて編集できましたが、提出日が修正できず、仕方なく新規で作ることにしました。
個人事業の廃業届作成
「申告・申請等の作成」から「申請・届出」を選択します。追加インストールで正しい項目がインストールできていれば「所得税」があるのでそれを選択します。
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次に「個人事業の開業・廃業等届出書」にチェックを入れます。
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自分が判断するための適当な名前をつけてOKします。
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あとの手続きは開業届の内容を見ながら作っていきました。
青色申告の取りやめ届出書
こちらは申請と取りやめが別の書類になっています。「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を使います。
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iphoneユーザーはe-Tax(WEB版)からxtxファイル形式で提出
デスクトップ版のe-Taxで提出できそうですが、署名する必要があります。Androidスマホがあればマイナカードリーダーとして使えるようですが、iPhoneは使えないので断念…。xtxファイル形式で出力し、それをe-TaxのWEB版でアップロードしました。Androidスマホを持っている人はこちらを参考にやってみてください。
エクスポートするには、「申告・申請等一覧」から作成した書類を選択し、「切り出し」というボタンを押すと出力できました。ボタン名称の癖が強すぎます(苦笑)。ここまでくればあともう少し、e-TaxのWEB版で「作成済みデータの利用」というところから提出できます。
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感じたこと
行政のDXが進んでいるとは言っても優先順位をつけながら少しずつやっていることを理解できました。確定申告は数年前に比べるとだいぶ便利になってきていますが、それ以外の申請はまだまだ従来の仕組みを使っているようですね。最後までなんとか電子データでやり遂げましたが、普段、ITに関わっている人でなければ諦めて紙で提出するレベルでした。こういう非効率な状態で多くの税理士さんが苦労されているのかと思うと、デジタル化が更に進めば楽できる人がたくさんできるなと感じました。