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野草「ホトケノザ」を観察しました。

別に何という事はなかったのですが、常に引きこもりがちな私が久しぶりに夫と出かけた際、車から沢山の野草が花を咲かせているのを目にしました。

えっ、いつの間にか春が来てる・・・。

お花と言うより植物の不思議に興味のある私。でも花瓶にお花を入れて飾るというシャレオツな暮らしがしたい!なんて思いもあって、摘んできました。

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ホトケノザ。


野草ですw家の前が今工事中なのですが、その端っこに群生していたホトケノザを数本掻っ攫って、花椒の空き瓶にぶっ挿してやりましたとも。

つぼみの君たちはこれから、ここで花をさかせておくれ・・・フフフ。と、ほくそ笑む私だったのですが、調べて見ると衝撃の事実が発覚したのです。


◆◆◆花を咲かせない◆◆◆◆◆◆

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いや、花咲くし。つぼみあるがなー。・・・でも、これ。実はつぼみじゃなかったんです。

少々アップにした画像です。左上に二つ大きなつぼみがありますよね。これは本当のつぼみです。しかしその他の小さな紫色の丸いもの。これはつぼみの赤ちゃんでは無く、閉鎖花(へいさか)なんです。

閉鎖花・・・とは?開かないつぼみです。普通、花は花弁を開かせて雄しべ雌しべを露出することにより花粉を鳥や虫に運ばせます(=解放花という)が、閉鎖花はそうはしません。つぼみのままで何をするのかって、すごいのは自分で自家受精をしてしまうんです。

そうすることによって確実に種を作り次の世代にバトンを渡せるという方法を身に付けたようです。


◆◆◆ホトケノザの開放花・閉鎖花◆◆◆◆◆◆

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ホトケノザは開放花と閉鎖花をどちらもつけることにしました。それは植物たちの長年の苦労と工夫のたまものなのです。

ホトケノザの特徴として、一本の茎に対し円状に葉っぱが生えていますね。そしてその葉っぱの付け根の辺り。ここに花をつけています。数えてみますと、ひとつの葉っぱの付け根には、だいたい6個くらいのつぼみが付いていました。

今回私が摘み取って来たホトケノザは5本。葉っぱは16枚でしたので、6個のつぼみ×葉っぱ16枚分×茎5本=480!!

私の花瓶に、だいたい480個もの花があるということです。しかしながら、その中で開放花はたったの2つ。これは極端かもしれませんが一応、何も知らず無条件に選び取ってきた例です。・・・けれどもフリー画像を見てみたとしても、どのホトケノザも開放花の割合が少ないようなのです。


◆◆◆ホトケノザの生き方◆◆◆◆◆◆

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百均にて手芸部品用の小瓶を入手し、そこに種を集めてみることにしました。これが結構可愛くてはまりそうです。480個の種を集めたらいっぱいになりますかね?というか、ひとつのつぼみに1個の種が付くとは限らないからもっとできるかもです!

毎朝、花瓶のホトケノザを見て見ると種が落ちてる落ちてる。あの種が自然落下する現象はどんな力が働いているんでしょうか。だってつぼみは結構上を向いた形をしているし、葉っぱの上になっているんだから落ち切れないと思うんですけどね。気になります。

・・・話が逸れました。実は閉鎖花には欠点があります

植物も私たち動物もなんですが、遺伝子というのを持っていて、次の世代に繋ぐにはこの遺伝子が非常に重要な役割を持っています。パパ似であるかママ似であるかが、実はとっても大事なんです。

植物は自分で移動することができませんから、花粉を運んでもらって他の植物と受粉→受精するのを求めています。それは何故かというと、こちらの土地での苦労とあちらの土地での苦労で生き抜いた遺伝子が組み合わせて、より強い遺伝子を作りたいからです。で、なければ逆に。植物は根絶えてしまう可能性があるからです

開放花→遠くの植物と受精することによって強い遺伝子を持つ種が出来る・・・が、受粉出来なければ種を残すことが出来ない。

では、閉鎖花は?→自家受精を行うと確実に種を作ることが出来る。・・・が、自家受精で作った種は、いわゆる自分のクローンです。自分は、自分が育ってきた環境しかしりません。私は日本人ですが、次に生まれた場所がアマゾンだったり北欧だったりすれば環境についていけなくなるわけです。周りの人から言葉や風習を教えてもらえるから私たちは適応していけるだけであって、植物にとっては自分の適応環境以外の場所では生き方を知りません。たちまち枯れてしまうだけなんです。

確実に種を残せても、なかなかリスクはあるようです。


◆◆◆ホトケノザの生き方【考察】◆◆◆◆◆◆

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ホトケノザの種には、エライオソームという付着物があります。目視では、黒い種の先端が白っぽくなっている。としか認識できない小ささで、これは蟻の大好物だったりするんですよ。

蟻は、ホトケノザの種を見つけると、エライオソームを食べたくてその種を巣に持ち帰ります。そして、エライオソームを美味しく頂いた後は、種は巣の外に出してしまうんです。・・・それが、ホトケノザにとってはまさに移動。次の新たな土地で芽生えろ!というメッセージ!!(?)

先ほど、自家受精で作られたクローンは適応環境外では生きられないと言いました。けれども、そもそもな話。ホトケノザが急にとんでもない場所に種を飛ばすことなんてあるんでしょうか。風で運ばれるならまだしも、大概は地面に落ちて蟻に運ばれる運命なのではないでしょうか。であるならばホトケノザは結構近場で芽を出す可能性の方が高い気がいたします。

近場で芽吹くのであれば、自家受精は大いにメリットがあります。なんたって、生まれたときからその土地のエリート。ぐんぐん成長して行けるはずです。そしてまた種を二通りの方法で作るのです。

トンチンカンな例えですが・・・開放花の種はある意味宝くじのようなもの。しかし宝くじばかりを宛てにするのも良くなくて、その宝くじを手にするための資金と言いますか手数も増やさなければいけない。だからホトケノザ株自体を増やす。そうすれば宝くじもまた沢山手に入れることが出来る。

うーん!なかなか賢く生きているな!ホトケノザ!!



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