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読書感想文の書き方#指導編

 お久しぶりです。みどりです。昨今の教員不足の波をもろに受けておりまして、本当に忙しい日々を送っています。とはいえ、ひとつ大きな仕事が終わりましたので、ゆるくnoteの方も復活していきたいと思います。ひとつ仕事が終わるということは、新しい仕事は増えるということでもあるんですけどね。ゆるく長く続けたいものです。

 さて、本日は読書感想文について書いていきたいと思います。読書感想文と言えば、夏休みの宿題にされがちです。しかし、その書き方の指導というのは、きちんとされているのでしょうか。もちろん、しっかりしている先生方も多いと思いますが、なんとなく、「書いておいで」としてしまう先生も多い気がします。授業の1時間、いや、半分でいいから、書き方の指導ができたらいいのではないかと考えています。どんな指導が考えられるのか、ここにまとめていきます。


読書感想文の目的

 そもそも読書感想文は「青少年読書感想文全国コンクール」に出品するために書かせていることが多いと思われます。教員がこのコンクールに寄与する必要があるのかどうかという議論はいったん置いておくこととして、その目的を引用します。

◇子どもや若者が本に親しむ機会をつくり、読書の楽しさ、すばらしさを体験させ、読書の習慣化を図る。

◇より深く読書し、読書の感動を文章に表現することをとおして、豊かな人間性や考える力を育む。更に、自分の考えを正しい日本語で表現する力を養う。

読書感想文全国コンクール公式サイト:https://www.dokusyokansoubun.jp/youkou.html

 この目的を見る限り、「読書活動」とB領域の「書くこと」に関わって授業が出来そうな感じがします。本来は授業内に指導して、書くことをしないと評価にはつながりませんので、構成メモを授業内で書いてあとは宿題にするくらいが妥当かもしれません。
 正直、教員側も全部目を通すのは大変ですが、目的を鑑みると、生徒の教育上、やる価値はあると言えそうです。

優秀作品を読んでみる

 では、このコンクールではどのような作品が良いとされているのでしょうか。みなさんは優秀作品を読んだことがありますか?公式サイトに入賞作品が掲載されていますのでリンクだけ貼っておきます。

 最近、授業でもモデル文を提示することの重要性を感じているので、この文章は生徒にしてもいいと思います。読むとわかりますが、説明的文章のように書くよりも、情感たっぷりに文学的文章的に書く方がよさそうです。表現技法も結構使われています。普通の「作文」的指導というより、創作活動的に書いた方が入賞を狙えそうです。
 ここで、入賞を目指すためにやっているわけではないという批判もきそうですが、コンクールにだす、そして、それは評価されるものである、という動機付けで生徒に課題を課すのであれば、多少そういう意識づけも必要な気がします。出して終わりの方が教育的効果は薄く感じますが、どうでしょう?仕事でもなんでもゴールが見えるとか、そのもの自体を知ることに意味はあるように思います。そういう意味で「敵を知る」というわけではありませんが、対策はあっていいと思います。

何をどう書けばいいのか

 読書「感想」文なので、感想を書けばよいのですが、簡単に感想を書けと言われても生徒にとって原稿用紙5枚分は結構きついものです。(ちなみにこの記事はここまでで1400字程度ですから、原稿用紙3枚半くらいですね)では、何を書けばいいのか以下にヒントをあげます。

①登場人物と自分を重ねる

 登場人物の生活や生き方、考え方を自分と照らし合わせます。そのなかで、自分と境遇が似ているとか、自分だったらどうするかなどを書きます。できるだけ具体的に自分の体験などを踏まえて書くといいですね。また、その本と出会う前と出会った後で自分がどう変わったかなども書けるとより深まる気がします。自分にはなかった考えで感銘を受けたとか、この考え方を自分も大事に生活していきたいとかですね。

②一番印象に残ったところを挙げる

 印象に残った場面やセリフを引用してもいいです。そして、そこがなぜ印象的だったのかをここもまた具体的に書くといいと思います。それも自分と比較して、メタ的に捉えられるようにするのがポイントです。

③構成を工夫する

 書くことが決まれば、あとは書く順番を考えるだけです。自分の伝えたいことをインパクトがある形で書けるように順番を考えます。例えば、その本を手に取った理由を最初に書くのではなく、先に自分の境遇を書くことで、その本を手に取った理由をより必要性があるものに感じさせるなど、各順番で印象もだいぶ変わります。

最後に

 読書感想文を書きやすい作品ももちろんあるのですが、上記のことを守れば理論上、どんな作品でもそれなりの読書感想文が書けるはずです。ということで、次回はみんなが知っている「シンデレラ」で、読書感想文のモデル文を作ってみようと思います。上手くいくかわかりませんが、ちょっとチャレンジです。読書感想文もせっかくの機会なので、生徒の力になるようにしたいですね。

では、また。

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