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【長野県泰阜村】現役隊員からあなたへ

 現在日本各地で活動している31期12名の隊員たちに、次の協力隊になるかもしれない "あなた" へ向けてメッセージを書いてもらいました。

 2024年度「第31期緑のふるさと協力隊」から2人目は、長野県泰阜村で活動中の大原理彩子さんです。

応募しようと思った決め手は?

 長野県下伊那郡泰阜村で活動している大原理彩子です。
 去年までは、地元大阪で大学院の修士課程に通っていました。修士1年の秋、就職活動をしているときに「日本仕事百貨」というサイトで緑のふるさと協力隊のことを知りました。幼いころから自然に囲まれた暮らしに憧れていたことと、日本の伝統文化に興味があったこともあり、「面白そう!」という直感ですぐに資料を請求しました。

 ところが、ワクワクした気持ちは出願するまでがピークで、応募してからは何度も「とんでもないことをしでかしてしまった」と思いました。一人暮らしの経験もない、体力もない、農作業も田舎暮らしもしたことがない私が突然「協力隊」として縁もゆかりもない土地に移住して1年間も暮らすなんて。ひとりで本当にやっていけるのかと、考えれば考えるほど恐怖や不安は募って、眠れないこともありました。

 それでも参加をやめなかったのは、直感に従って動いてみたいという気持ちと、今が一番良いタイミングだと思ったからです。
 仕事を始めてから休職/退職して参加する方がきっと私にとってはハードルが高く、尻込みして出来ずじまいになってしまうと思いました。「休学して協力隊」という突拍子もない話に家族や周りの人は驚き、反対されたり心配されたりしましたが、何度も話し合って、最終的には背中を押してもらいました。反対されたのも私の将来のことを真剣に考えてくれてのことだったと気づき、有難く幸せなことだと感じています。協力隊としての1年をしっかり充実させて帰ることが、私にできることだと思っています。

 任期はまだ終わっていませんが、参加してみて本当に良かったです。来る前に心配した通り家事は大変だし、農作業を手伝うにも体力がなくすぐに疲れてしまうけれど、大変でも楽しいし、村の皆さんに気にかけられているおかげで、一人暮らしだけれど独りぼっちではありません。個人のお家で畑を手伝ったり、村のイベントスタッフをしたり、村民インタビューをして記事を書いたりと、楽しく活動しています。

草刈りに挑戦

 そんな楽しく充実した日々ですが、「あなたもぜひ参加してみて!」と気軽に勧めることは私にはできません。大きな決断であることには変わりないし、あなた一人だけのことでもありません。参加したくなったら、まずは家族やあなたの近くにいる人に一度話してみてください。大人になってから本音を話すのは少し照れ臭いかもしれませんが、良い機会だと思って素直に話してみましょう。その経験は必ず、協力隊になってからの1年間の大きな支えになります。

着任した日に撮った村の風景


休日や夜は何をして過ごしていますか?

 休日にまずやらねばならないのが、お買い物です。スーパーまで車で片道30分かかるので、免許取りたての私にとっては一大イベントです。運転が怖いので、週に1回晴れた日の日中に済ませると決めています。翌週の献立をある程度決め「買うものリスト」を念入りに作り、運転しやすいようにお店を回る順番も考え、経路を何度も確認してようやく出発します。

 次が料理。平日は帰ったらすぐにご飯を食べたいし、疲れていると料理をする気も起きないので、土日に一気に作っておきます。ほとんど一日台所に立ちっぱなしでいることもあります。お野菜などの頂き物も多いので「頂いた食材をいかに美味しく食べきるか」をテーマに不慣れな自炊を頑張っています。はじめの頃こそ気合いを入れていろんなおかずを作っていましたが、最近は大量の野菜を一気に刻んでカレーやスープを大鍋でどーーんと作るようになりました。採れたて野菜の美味しさにすっかり虜になり、肉より野菜派になりつつあります。

自炊を頑張っていたころのごはん


 「生活を回しているだけじゃん」と思われそうなので趣味らしいことも書いておくと、買い物も家事も済んで元気が残っているときは編み物をしています。マフラーを製作中ですが、泰阜の冬に間に合うかどうか、、、。

 休みの日は、「オフになる」ことを意識しています。
 ここに来るまでは、「平日はお手伝いやインタビューをして、休日はお散歩がてら近所の人を訪ねたり遊びに行ったり~」なんて考えていましたが、着任して1か月たたないうちに「無理だ。」と思いました。(笑)
 家事に追われているからというのもありますが、もともと出不精な性格で一人の時間も好きなので、活動日にたくさん人と会って、休日はひとりで過ごすという風にメリハリをつけるのが私には向いているなと思い、無理せずのびのび過ごしています。


※大原さんの活動は、TBS系Nスタ【ゲキ推しさん】で紹介されました。

託された任務は「村民100人にインタビュー」大学院生が1年間休学して大阪から長野の村に移住
https://www.youtube.com/watch?v=J-hBuxCz66k

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