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若葉のふるさと協力隊2023 参加者感想文【中編】

2023年度全国9か所で開催した、4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊」。

参加した方々に感想文を書いていただいたので、前編に引き続き、その一部をこちらでご紹介します。




①「たくさんの自然とたくさんの才能が溢れる、ゆたかな村での 5 日間」 活動先:愛知県豊根村

私は普段、東京で暮らしています。
いろんなお店があって、いろんな人がいます。

一方で、たくさんのものや機会に囲まれて、どこか追われるような感覚を感じるようにもなっていました。そこから、「自然の中でのゆるりとした暮らしを体験したい」、そう思ってこのプログラムに参加を決めました。

「自然の中での暮らし」には、いわゆる「不便」なこともたくさんあるようでした。

携帯の電波は不安定な場所も多かったですし、雨が降れば停電するのが日常茶飯事とのことでした。買い物は週に 1 回まとめて県外まで買いに行くそうです。村内は山道だらけで坂が多く、車が必需品であると感じました。

今回のプログラムでは、緑のふるさと協力隊の方や役場の皆さんがコーディネートしてくださったおかげでただただ楽しく過ごすことができましたが、実際に暮らしているみなさんには苦労や心配もあるのかもしれない、と感じました。

一方で、村で生活しているみなさんと出会わせていただいて感じたのは、一人一人の方の多才さです。特産品加工所の方は、山や森林についても教えてくださいました。農家さんは有害鳥獣をご自身で捕まえることもされていました。役場の方が、竹で流しそうめん台を作ってくださいました。

村について「何もないところだよ」と語る方もいましたが、そこには「何でもできる」多才な方が集まっていると感じました。

また、もうひとつ驚いたのは、自然の音の豊かさでした。宿泊先の周りには、車が走るような道も他の家も建物もありませんでしたが、虫の声・鳥の声・雨風の声、私にとっては新鮮な色々な音が溢れていました。

YouTube も Twitter も開かなかった 5 日間でしたが、窓辺に座っているだけでいろんな音や動きが感じられてまったく退屈しなかったのを覚えています。

私たちが簡単に語る「何もない田舎」には、本当はたくさんのものがあって、気づいていなかっただけだったんだな、というのが大きな気づきとなりました。

貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。



②「日本の近未来、歴史を感じる村、大川」 活動先:高知県大川村

はじめに、「若葉のふるさと協力隊」を終えて、たくさんの方々のサポートのおかげで楽しく有意義な4泊5日を過ごせたと確信しております。
理由は、このプログラムへの参加目的である大川村の自然及び暮らしを堪能できたからです。また、下記にタイトルの意味も含めた活動報告書を記載いたします。

初日の午前中は、高知市から大川村への移動日でした。
道中では市内の観光地や開催を控えるよさこい祭りの話、そして人口の少ない大川村について、役場職員の矢野さんから説明を受けました。また、コーディネーター役の「緑のふるさと協力隊」の大城さんを中心に歓談し、車内の雰囲気は大川村に着く頃には和らいでいきました。

お昼は、役場の隣にある筒井食堂で土佐はちきん地鶏を使った親子丼を頂きました。肉質が良く美味しかったです。そこで初めて、地元の謝肉祭でも振舞われる土佐はちきん地鶏と大川牛の存在を知り、さらに大川村への興味が深まりました。スケジュールに従い、その後は役場への挨拶並びに村長との面談でした。その際、「緑のふるさと協力隊」の大城くんが村長にすごく可愛がられているなと感じ、微笑ましい気持ちになりました。また、矢野さんを筆頭に大川村の方々と「緑のふるさと協力隊」の関係性が良好であることからも、わたしも若葉として4泊5日尽力しなければならないと実感しました。

悪天候のため、その後は役場内で、矢野さんから大川村の詳細な説明を受けました。豊かな自然、謝肉祭で披露される花取り太刀踊りなど伝統的な行事やグルメの話など興味深いものばかりでした。中でも最も印象的であったのは、ダム建設に抗議した旧役場の存在でした。これら全てが大川村にとって、ひとつひとつ重要な歴史だと感じました。

その日の夜は、大平集会所で歓迎会を開いていただきました。そこでは、役場からは矢野さん、坂本さん、「緑のふるさと協力隊」のOBの和田さん、山田さんが参加してくださり、大川村について熱い思いを聞くことができました。和田さんは、大川村の初代「緑のふるさと協力隊」であり、また、大川村の村議会議員でもあります。和田さんのお話は、村の抱える人口減少の問題や、これからの世代を含めた村の未来の事など、とても建設的でありました。また、村のことを良い面だけでなくフラット・ニュートラルに捉えられていることがすごく素敵だと思いました。一方、山田さんは、7代目の「緑のふるさと協力隊」であり、現在は地域おこし協力隊として、コーヒーやパンの製造・販売をしているという話を聞きました。自分のやりたいことやり、それが村のためにもなるという生き方は羨ましく感じました。また、いいお話を聞きながら焼きつづけたお好み焼きも、私にとってはいい思い出となりました。

初日を振り返り、大川村の抱える過疎問題に関して、私の考えは良い方向に180度変わりました。それはこの課題はこの村に限らないと考えるようになったためです。これからはますます、人口減少する町村が合併等により形を変えて存続していくことが予測されます。そのため、この村の歴史も含めた、今までの動向がこれらのモデルケースになり得ると私は考えました。このような文脈から、大川村は近未来を生きていると感じました。

2日目は、台風の影響もあり大雨・洪水警報が発令され午前中は待機していました。天候が落ち着き午後から、大川牛の厩舎へ行き餌やり体験をしました。自然や生き物が好きなので、厩舎に牛、犬がいて舎外に猿がおり、すごくテンションが上がりました。

3日目は、終日村民祭の日でした。青年団が主催する祭りであり、今年は大川小・中学校グラウンドで開催されました。青年団の方々が(和田さん、筒井さん等)、地元の子どもやお祭りを楽しみにする人たちのために働く姿が印象的でした。また、元消防署長の愛称ようやん(自称85歳)の指示のもと、提灯の設置やテントの設営は大変でしたが、心がほっこりしました。また、昼食で頂いた大川牛カレーや味噌をつけて食べたきゅうりは最高の味でした。言うまでもなく、準備から関わった村民祭はとても楽しく夏の思い出になりました。また、行けたらうれしいです。

4日目は、初代緑の和田さんのお宅で豆腐作り体験をしました。竈に薪をくべ、昔ながらの方法で一から作る豆腐はよりいっそう美味しかったです。和田愛野さんの作る豆腐は学校給食にも使われていたり、また、井野川あけぼの会として名物のかりんとうも製造・販売していることを知りました。このような地元の方と触れ合う体験は、「緑・若葉のふるさと協力隊」の一番のメリットであると感じました。個人では困難なコネクションを「地球緑化センター」及び「緑のふるさと協力隊」を通して、初めてできることなので大変いい経験をさせてもらいました。

最後に「若葉のふるさと協力隊」の集大成となる活動報告会について、ここでは若葉の同期である二人の発表を聞きました。
それぞれの視点で、大川村での貴重な体験や感謝の気持ちを発表している姿を見て、短い時間であったけどこの二人と同じタイミングで参加できて良かったと思いました。また、活動報告会の総括をする大城さんは、とても生き生きとしていました。彼の言葉によって、参加している皆が感動しているように感じました。

私はこのプログラムに参加して良かったと上記の体験を通して、確信しております。農山村や「若葉のふるさと協力隊」に関心がある人は迷わず行動すべきだと思います。4泊5日と短い時間でしたが、私にとっては貴重な時間でした。迷う時間は時には大切ですが、まず行動してみたらいいと思います。サポートしていただいたすべての方に感謝申し上げます。
ありがとうございました。



③「農山村の魅力」 活動先:宮崎県日之影町

日之影町で過ごした 5 日間はとても濃厚で素晴らしい体験でした。

私が若葉のふるさと協力隊に参加した理由は、自然がとても好きで、農山村での暮らしについて実際に話を聞き、体験してみたいと思い参加しました。

日之影町に到着して一番初めに感動したのはその景色でした。
町内を車で移動するさい、窓から見える深い V 字形の渓谷や、金色の棚田の景色はとても美しく、自然の豊かさを感じられる日之影町最大の魅力だと感じました。

日之影町の人は皆気さくな方ばかりで、冗談を交えた楽しい話をたくさん伺うことができました。そして町の人たちの繋がりの強さを感じました。今回、農村歌舞伎の練習を見学させていただき、地域の行事や伝統がより一層人とのつながりを強くしているのだと感じました。都市部にはない良さだと思いました。日之影町では農作業や森林セラピー、栗の加工、郷土料理など、たくさんの自然体験や美味しい物をいただくことができました。農山村ならではの魅力だと思いました。

今回は初めての鹿のジビエもいただきました。今年は天候不良などから山に動物の餌が少なく、山から降りてきた害獣の被害が増加、農作物の収穫量が激減していることを知りました。

“食を得る”ということは簡単ではないことや、“命をいただく”というありがたさについて考える機会となりました。都市部では食について考える機会は少ないように感じます。都市部でも広まりつつあるジビエなどを通じて、多くの人に農山村の現状や食について考える機会になってほしいと思いました。

この 5 日間で私が想像していた以上の景色や暮らしを体験することができました。その中で魅力的だと感じたことは、穏やかに流れる時間と、四季の移ろいを感じながら、人との交流や自然の美しさ、厳しさ、豊かさを感じられることです。もっと農山村地域での暮らしを知りたいという気持ちが強くなりました。機会があればまた日之影町に訪れたいと思います。

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