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ヨー
2021年8月9日 16:58
梨木香歩「家守綺譚」「冬虫夏草」を読んだ。二作は連続した物語で、「家守綺譚」が初巻、「冬虫夏草」が二巻となっている。まず感嘆したのは、その文章の技巧だ。二作ともに、現代日本語をもってして上代の日記文学を彷彿とさせるような古典調の文体を実現しており、あっと驚かんばかりの趣の深さだ。とくに「家守綺譚」の「木槿」の章の冒頭がすさまじい。声に出して読みたい日本語として日本中に知らしめたいくらいだ。