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ヨー
2021年9月16日 20:46
※当記事はネタバレを含みます。ご注意ください。梨木香歩『裏庭』を再読した。主人公の照美は、小学生の女の子だ。「純」という名の双子の弟がいたが、弟は6年前に亡くなってしまった。レストランを営む両親は忙しく、家族団らんの時間はあまりない。照美の心のよりどころとなっているのは、友達の綾子の家の、「まっすぐ自分に向かって呼びかけてくれている感じがする(『裏庭』 梨木香歩 新潮文庫 32頁)」おじい
2021年8月9日 16:58
梨木香歩「家守綺譚」「冬虫夏草」を読んだ。二作は連続した物語で、「家守綺譚」が初巻、「冬虫夏草」が二巻となっている。まず感嘆したのは、その文章の技巧だ。二作ともに、現代日本語をもってして上代の日記文学を彷彿とさせるような古典調の文体を実現しており、あっと驚かんばかりの趣の深さだ。とくに「家守綺譚」の「木槿」の章の冒頭がすさまじい。声に出して読みたい日本語として日本中に知らしめたいくらいだ。