「死後の世界」
車に揺られて1時間、
死んだ後のことについて考えてた。
僕は自分で自分を殺めたい。最後くらい、自分の手で死にたい。綺麗に、死にたいんだ。
棺桶の中には、今まで僕が読んできた本を収めてもらおう。僕は言葉だけを愛したい。
死後の世界、僕は文学の中を生きたい。
文章や言葉だけの世界で、息をしていたい。
花なんて要らない。僕自体はそんなに綺麗じゃないから。僕の死より綺麗なものと争いたくは無いし、僕が幸せそうに眠るのも余り納得いかない。
誰かが哀しむ音がする。
誰かの鼻を啜る音がする。
僕の、欺く、笑い声がする。