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推しの生誕ライブを見て考える誰かの希望になる覚悟について(犬にしてはよくしゃべる#1)

目を瞑るライブハウスに群青のペトリコールが降るあなたの

自作短歌

tipToe.小宵めみさん、20歳のお誕生日おめでとうございます。

3月11日に20歳のお誕生日を迎えた小宵めみさん、おめでとうございます。あなたの美しい歌声に、声に、言葉に励まされ、乗り越えられた夜がたくさんありました。
あなたにとって素晴らしい1年になることを心から祈っています。

生誕いただきありがとうございます

2023年3月11日に青山月見ル君想フで行われた小宵めみ生誕イベント「homeroom26」もとても幸せな空間でした。
特に、tipToe.に数々の名曲を提供している彼方あおいさんとのコラボで披露された「群青と流星」「茜」は、本当に心に沁みました。
tipToe.は、メンバーの在籍期間が3年と定められているため、歌詞の1つ1つにだんだん意味がこもってきて、「今」のtipToe.の一瞬一瞬を心に刻んでいます。

「今すぐ、君に会いたい」
誰にも聞こえないように叫んだ
終わりが近づいていく
あと何回、君に会えるんだろ

tipToe.「茜」

小宵めみさんは、2022年3月19日にtipToe.で活動を開始。
生誕イベントは今回で2回目です。
2022年4月29日に行われた1回目の生誕イベントにも参加させていただいていました。

1年って早いものですね

誰かの希望になる覚悟

今回の生誕イベントで感じたのは、小宵めみさんの覚悟でした。
1回目の生誕イベントのときは、加入直後ということもあり、ライブが楽しい!という気持ちにあふれた小宵めみさん自体がひたすらきらきらしているライブでした。
一方、今回は、彼方あおいさんとのスペシャルコラボだけでなく、パフォーマンスやMCでも随所に見に来てくれた人を楽しませる!という姿がたくさんありました。

アイドルに限らずアーティストは、その作品そのもので人を感動させるだけでなく、その存在そのものが誰かの希望になっていることがたくさんあります。
不特定多数の人間からの好意を受けることは、とても覚悟が必要なことです。
人は誰も、「好意」は永遠に「好意」のままであると誤認してしまうことがあります。
誰かの希望になるということは、誰かの絶望にもなりうるということ。
その残酷さを乗り越えて、小宵めみさんは、私たちに感動を与えてくれます。
今回の生誕イベントを見て、特に昨年からの変化を見て、小宵めみさんは1つ大きなものを越えていました。
とはいえ、塩キャラに走るとか、謎の深夜ムーブとか、ギャップのある力強い歌声とか、小宵めみさんの魅力は、その天真爛漫さに大きくあるので、これからものびのびと活動していっていただけたら嬉しいと感じる今日この頃です。

月見ルはほんといいライブハウス

そんなことをおぼろげに考えていたのは、先日、残業続きでボロボロになってバスに乗って帰宅しているとき、ある短歌がずっと頭に流れていましたからです。

残念でした!!!わたし、わたしはしあわせです!!!!!!!!!道にゴミとかあったら拾うし/上坂あゆ美

「老人ホームで死ぬほどモテたい」『新堀ギターをさがしてごらん』

もともとこの歌好きだなあと思っていたものの、追い込まれているときに流れて来るとはよほどのことで、自然と脳内の引き出しの中にお守りとしてしまっていたようです。
昼間にわけわかんないことを言ってきた人たちに対して脳内で「残念でした!!!」と何度も大きな声で叫びながらバスに揺られていると、ある瞬間にまあ明日もがんばるかなという気持ちになるわけです。
先日、上坂あゆ美さんと岡本真帆さんのスペースで、いい歌とは何か、というリスナーからの質問に対して、お2人が「暗唱できること」ということを1つのメルクマールとして話していました。
「短歌ブーム」の代表者として様々なものを背負わされて語られることの多い2人も「覚悟」の人だと思います。
だからこそ、その歌に心が強く動かされるのでしょう。

人は、覚悟のある人から生み出されるものに心を動かされる。

自分のことを考えてみると、30代後半を迎え、仕事では、自然と覚悟ができてきました。
日和見主義とか、いい人ぶってるとか、陰口を叩かれながらも、「心理的安全性の確保されたチームを作って仕事で成果をあげる」という明確な信念に従ってここ数年働いてきたところ、陰口を言っていた人たちはみな周囲からいなくなっていました。
一方で、短歌をはじめとした文芸の方では、まだまだ結果の出ない日々が続いています。
それはきっと覚悟がまだ足りていない、というより何を信念に作品を作っていくのか、定まっていないことの証左。
小説も書くし、エッセイも書くし、ラジオもやるし、まだまだ模索する日々ですが、「自分の作品で読者の心を動かしたい」ということだけは、共通して目指しているもののような気がします。

詠んで、書いて、読んで、書いて、その繰り返しの中から文芸の世界での覚悟が自然と生まれてくるのを待っています。

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