短歌五十音(ゆ)雪舟えま『たんぽるぽる』
ふきとぶ『たんぽるぽる』は、この4首から始まる。
この4首を読んだとき、意識だけでなく、身体ごと吹き飛ぶような感覚に襲われた。
パーツごとの言葉の意味はわかるのだが、それが組み合わさったときに、とたんに論理的ではない世界に迷い込む。
その世界は、どうも今いる世界と構成する物自体は同じようだ。
「空港」「帽子」「東京」「江東区」、それぞれ実際にあるものだし、それぞれに附随したイメージや実感もある。
読者である私は、歌の世界の主体の思考の流れに身をまかせて、別の世界を浮遊していく