「茂吉を新しく読む」(間瀬敬著、不識書院、2021)を読みました。
印象に残ったところを書き残します。
「むきむき」は「ムキムキ」だと思って、茂吉には、電車がいっぱい集まってくるのが、筋繊維が集まるマッチョボディに見えてるとか、アララギ、エクストリームすぎるぜ、と思っていたら、「むきむき」は「めいめいにさまざまな方向を向いていること」の意味のようだ。でももう、マッスル短歌にしか読めない。そして、超かっこいい。
単純化されることで余情を生むという指摘がとても興味深い。
むずいぜ。ただスケッチするだけでは写生にならず、その現実を通じて、作者の心をのぞきこむような歌でないといけない。
私はこの記事を書きながら、「ぐんぐんグルトα」という飲みものを飲んでいるのだが、ただ飲んでいるのではなく、この快眠・快腸ケアという機能性表示食品によって、さっき二郎系ラーメンをマシマシで食べたことを帳消しにしようとしている。そうした心の動きまで詠むということだろう。
「すさび」は、「荒び/進び/遊び」で、「興にまかせてすること。慰みごと。」とのこと。
佐千夫、ブチギレざえもん。
柴生田稔についての一稿の一部。歌の内容が、好戦的か、反戦的かで評価されることに対して、歌の本質は異なるところにあるという柴生田稔の主張は、示唆的である。
とても勉強になりました。
特に実相観入の考え方は、なかなか難しかったのですが、ゆっくり考えていこうと思います。