イッセイミヤケが一人の女の思考を変えた話
この記事は、上のポストに始まるツリーを加筆修正したものです。
ずっと服が捨てられなかった。
「お出かけの時に着る服が必要」「女子アナっぽい恰好がしたい」
「肌にあたる部分は天然素材がいい、綿のカットソーが楽」
「痩せたら着る、だから今は置いておく」
などなど理由をつけ、服を買い、クローゼットをぎゅうぎゅうのぱんぱんにしていた。それでも入りきらない分は義実家に置いていた(田舎の大きな家はなんでも置いておける)
昨年夏、PLEATS PLEASEに出会った。その時の感動をXにポストしている。
若いうちは何を着てもいい。しかしある程度年齢を重ねると、いい服のデザイン、生地感によって体型を補正してもらい、肌ツヤを良く見せてもらわないといけない。プリーツプリーズはそこにマッチしたブランドであった。プリーツ加工とウエストゴムによって体型が変わっても着られる、生地にすこーし光沢感があって華やかさがある。
そしてなにより、洗濯機で洗えるのだ。これは本当に驚いた。ネットに入れて洗濯機にポイ、ポリエステルなので乾くのも早く、あとはたたんでしまうだけ。「これで10年は着られます」と店員さんに力強く言われ、私はプリーツプリーズのとりこになった。
私は肌にあたる部分が化繊だとかゆくなることがあり、そこは少々懸念材料だった。しかしプリーツ加工で、面ではなく線で肌に当たるからか、化繊を着ることによる肌トラブルは起こっていない。
その後は店舗に通いつめ、フリマサイトで過去のコレクションを買いまくり、ある程度満足いくまで揃えた。
普段使いも、お出かけも、かしこまった席でのスーツっぽい恰好もこれで全部まかなえる、と思えた。ちなみにプリーツプリーズ愛用者として有名なのは小池百合子都知事であり、選挙戦でも議会でもよくお召しになっている。都知事が公務で着られるのだから、一般人が文句を言われる筋合いはないのではないか(ちなみに私自身は、職場では着替えてしまうため私服に関しては何の制限もない)。
そして、服が捨てられるようになった。ついでにバッグや靴も整理した。
買取りに出せるブランドは買取りへ。ユニクロや無印良品のように、自社製品を回収しているブランドはそれぞれにお返しした。カットソー1枚、下着1枚にいたるまで点検して、いる/いらないを選別していった。
プリーツプリーズとの出会いで、私には服を買う際の指針ができた。
・アイロンの必要な服は買わない
・クリーニング必須の服は買わない(アウターはのぞく)
確かにプリーツプリーズは少々値が張る。でもクリーニングもいらなければおしゃれ着洗いもいらない。そう考えると、扱う際のコストがあまりかからない。トータルで考えたらコスパがいいのである。
綿のカットソー、ウールやカシミヤのセーターは何枚か残した。セーターはさすがにおしゃれ着洗いをするだろうけど、少なくとも家で洗える。
こんまりさんで言うところの「ときめき」のある服も10枚ほど残してある。どれも洗濯機では洗えるけどアイロン必須で、指針には合わない。でもこれらは「この服にアイロンをかけている自分」がありありと目に浮かんだ。トータルでこのくらいなら置いていても……とちょっぴり言い訳をしながら、私はそのシャツやスカートをたたんで衣装ケースにしまった。
なによりも自分にうんざりしたのは「こんなの持ってたんだ!」という服の多さ。ファストファッションの弊害なのか、その場しのぎで買ってしまう服が多く、1着1着への気持ちが減ってしまう。綿のカットソーなら白とネイビーとボーダー、セーターは黒、グレー、赤だな、など自分にとってのベストオブベストを決めて、あとは捨てていった。
もともとどれだけあって、何着捨てたのかは分からない。記録を取っておけばよかった。30リットルゴミ袋で6袋くらい捨てたと思う。
プリーツプリーズを買いまくっているので服の総量は微減にすぎない。でも私の服に対する思考が非常に整理されたので、頭の中がデフラグされた気分だ。
今回、この服の整理にあたって頭の中にあったのはこちらの本。
さすがに1000枚は捨てていないけれど。
年末年始でパントリーの在庫チェック、整理(賞味期限切れの食品がそこそこあって卒倒しそうになった)、デスク回りの整理整頓、職場の資料の整理などもやったので、私ももしかしたら人生が動きだすのかもしれない。
大丈夫です。動き出したら、私、プリーツプリーズを着てそこに行きます。