藤本ナオ子(naok fujimoto) 「Good Bye藤枝🎶、 また会う日まで〜🎵 (7~8日目)」
「マイクロ・アート・ワーケーション(MAW)旅日記」
▶️藤枝市滞在7日目(2023/10/1)
1)はじめに
藤枝市滞在7日目(2023/10/1)
本日は『マイクロ・アート・ワーケーション』の最終日。
そしてこの『MAW旅日記』の更新も今回がラストだ。
コロナウイルス感染拡大(2020年〜)以降、自宅を1週間以上あけること自体が久々の冒険でそれも見ず知らずの土地に赴くとなると、当初は時間軸が必要以上に長く感じられるのではないかといった懸念もあったが、実際はまるで浦島太郎の玉手箱のような、濃厚なあっという間の7日間だった。
MAW旅人2023の最終日(チェックアウトの予定:午前中)には『住民との意見交換会』が開催され、更には夜に急遽、白子ノ劇場さんとの意見交換を含めた食事会が19時30分より開催されるとホストであるフジエダカラーさんの仁科さんよりご連絡を頂いたので、本来は10/1の今日がチェックアウト日であったが(帰路(東京)への終電は19時なので当日中の帰京は難しいので)藤枝にもう1泊滞在することとした。なぜなら、今回のMAW2023プロジェクトに参加する以前から白子ノ劇場さんのお取り組みに注目していた自分としてはぜひとも白子ノ劇場さんのメンバーの方々からのお話を直接に伺いたかったからだ。
なので、滞在7日目の当日に宿泊予約ができそうな宿を見積りながら(これは藤枝に滞在してから知ったのだが、藤枝駅周辺は漢方薬や、家具やお菓子といったメーカーの工場などが多いため、首都圏からの出張者が多くビジネスホテルは満室が多い)、そして、次の日以降の日程の調整を行いながら、正に怒涛のスケジュールの中、MAW旅人2023の最終日は駆け抜けていった。でもこれはある意味、嬉しい誤算でもあった。
2)滞在7日目10:00-12:00 『住民との意見交換会』@藤枝5丁目
最終日午前中に開催された『住民との意見交換会』は、現在、藤枝市 花と緑の課 が再開発として取り組んでいる岡出山小路(藤枝5丁目バス停より徒歩数分)にてピクニック形式で行われた。この岡出山小路は藤枝旧市街地エリアに新たな人の流れの創出を目的に、蓮華寺池公園の来園者を岡出山公園や日本遺産である旧東海道エリアに点在する神社や仏閣へと誘うコミュニティー空間の新たなハブとして、来年令和6年3月の完成へ向け現在、整備中の空き地エリアだ。(以下、画像参照)
参考:https://www.city.fujieda.shizuoka.jp/toshi/hanatomidori/22134.html)
岡出山小路の会場へ到着するまで(一体どのような方々参加されるのか、またその内容などについては知らされていなかったので、まさにミステリーツアーだったのだが…)、おもな参加者は、藤枝市市役所の方、藤枝地域おこし協力隊の方、藤枝市内のイベント等の設営などをお手伝いされている方、白子ノ劇場の山田裕幸さんとスタッフの方、スイーツ大好きのイラストレーターtocoさん(滞在日記3日目にご登場)や、tocoさんの師匠でもあり、藤枝まち歩きの達人の増田あきらさん、そして、アーツカウンシルしずおかの方々、そして、ホストのフジエダカラーの仁科亜弓さん、MAW旅人の鈴木ユキオさん、私、藤本ナオ子であった。
ピクニック会場(岡出山小路)では、ホストの方の司会を中心に、参加者それぞれの自己紹介を行いながら、藤枝のお土産や特産物についての話題提供がなされた。
その他、特筆すべきこととして、今回の意見交換会に参加されていた藤枝市市役所(の方)が10月後半にアーツカウンシルしずおか主催のMAW2023(マイクロ・アート・ワーケーション)のプロジェクトのホスト役として、新たに旅人(アーティスト)3名の受け入れを予定しているのだとか。このように地方自治体や行政がMAW(マイクロ・アート・ワーケーション)の受け入れホストになることは稀有なことであり、今回の試みは藤枝市にとっても初めての試みとなるため視察も込めて、今回のピクニック(住民との意見交換会)に参加されたとのこと。
その他、サッカーを通して地域おこしを行う藤枝地域おこし協力隊の方にもお会いした。前日9月30日に藤枝MYFCと清水エスパルスとの熱戦(藤枝が2対0で勝利)が藤枝総合運動公園サッカー場で開催されたこともあり話題に花が咲いた。私のようなサッカーに詳しくない者からすると、2014年にJリーグに入会し10年にも満たない今年(2023年)9月にJリーグ1への昇格が交付された藤枝MYFCの歩みは順当な…いやそれそれ以上に早い昇格なのかな?と思えるのだが、実際に日夜サッカーに携わり藤枝市や清水市、そして静岡県と関わってこられた方々によれば、藤枝でのサッカー場の設立をはじめ並々ならぬ想いがあるようで、"ようやくここまで来たんです…"とおっしゃったその言葉がとても印象的だった。
その他、当日は、会場先の岡出山小路の前の大通りで10月6日〜開催される2023藤枝大祭りの屋台(山車)の予行練習が行われており、子どもから大人まで本番さながらの掛け声のもと屋台(山車)が練り歩いていた。欲を言えば、この祭りの時期にめがけてマイクロ・アート・ワーケーション2023を体験したかったなあというのも正直な気持ち。
いつか、この藤枝大祭りをリアルで体験したいし、藤枝に戻ってきたい!
参考)藤枝大祭千歳組
https://www.facebook.com/1000old/
3)滞在7日目19:30-23:30 『白子ノ劇場さんと…』@鼓童at藤枝駅北
夜は白子ノ劇場さんの脚本家で演出家の山田裕幸さん、藤枝地域おこし隊のメンバーでもあり、白子ノ劇場さん(ユニークポイント)の役者の古澤光徳さん、同じく同劇場の役者の西山仁美さん、まち歩きの達人であり空間デザインを手がける増田アキラさん、そして、今回のホストのフジエダカラーの仁科亜弓さん、MAW2023の旅人の鈴木ユキオさんとで会食を行った。
先ずは藤枝ハイボール(藤の花にちなんだ紫色(アントシアニン)をした藤枝発祥のリキュールを炭酸で割ったお酒)で乾杯!
そして、藤枝の街のこと、街歩きのこと、藤枝梅安のこと、地域おこし協力隊のこと、そして、白子ノ劇場さんにまつわるあれこれ、数学のこと、藤枝演劇祭のこと、ダンスのこと、アートのこと、そして、今回の旅の感想などなど…話題は尽きずあっという間の4時間だった。
どれもこれも印象的な話題でありトピックだったのだが、今回私の藤枝滞在5日目で出会ったスーパーの休憩コーナーにひとりずっと佇んでいる高齢男性のお話をさせて頂きながら(詳細は、滞在5目日目のノート参照)、自分が(特に東北震災以降…)ずっと頭の片隅にある”アートと社会との関係性”や、”いったいアートで何ができるんだろうか?”といった自問自答の問いたてについて、ちょっとだけ吐露させて頂いたとき、ホストの仁科さんから「自分は自分の手の届く範囲でだけ(全部は難しいのでという意味)救えればいいと思っているから…」をはじめ、白子ノ劇場(ユニークポイント)さんの山田裕幸さんが「自分のやってることなんて、そもそも何も意味もないことだし、わからないもんだっていう思いでやってる…」といった言葉に安堵というか救われる思いがした。余談だが、山田裕幸さんは『わからない』ことをテーマにした『3sheep』(作 山田裕幸 / 演出 ナギケイスケ)という戯曲も書かれており、いつか拝見したい。)
そして、そこに呼応するかのようにお話しされた役者の西山仁美さんの、山田裕幸さんが手がけた戯曲『フェルマーの最終定理』で舞台上に配された黒板に次から次へと数学や数式がただただ描かれていくラストシーンが(数学や数式の意味がわからなくても)なんだかもの凄くてとても美しく見えたといったお話になんともいえない親近感と嬉しさを感じた。というのは、かつてアートを学びに英国へ留学した自分が帰国後、自分にロボット工学の世界を扉を開き見聞きし学ぶきっかけをつくって下さった制御理論(工学)の第一人者であり、いまは亡き美多勉先生がホワイトボードにササっと描いたH∞制御理論の数式の羅列が(意味がなんだか全くわからない自分にさえ)たいへん美しく神々しい何かに見えていたことが思い出されたからだった。
(このときの件の話は後にセミドキュメンタリーな映像作品として制作…)
そして、そんなふうに何がなんだかわからないけれどもそういうステキなものがあることを話せる視座を持った方々に出会えたことがなんだかとても嬉しくて、藤枝の地酒(志太泉)の越すに越せない大井川じゃない方の川、瀬戸川を感じさせる透明感あふれるフルーティーな味わいと相まって心に沁みいる藤枝の最後の夜であった。
藤枝の皆さま、有難うございました!
https://uniquepoint.org/officialsite/archive/2019/3sheep/
来月(11/11-13)には白子ノ劇場さんの新たな公演『紙風船』(作:岸田國士|演出:山田裕幸)もあるとか。
主演は古澤光徳さんと西山仁美さんの二人芝居。
ぜひ拝見したいところ。また戻って来れるといいなあ〜
4)藤枝ラストナイトと泊まったところ
5)食べたものシリーズ
以上
text by ©️naok fujimoto
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