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マーケティング組織立ち上げ時の「パーセプションフロー®・モデル」策定の流れ

はじめまして。
Micoworks株式会社にてマーケティングを担当しております、岩崎と申します。

弊社プロダクト「MicoCloud」は現時点で年率300%を超える成長スピードを遂げており、また、今年の2月にシリーズAで総額12億円の資金調達を実施し、今後さらなる成長を目指しています。

そんな急拡大フェーズにおいて、マーケティングチームのメンバーも増えており、より効果的で効率的なマーケティング施策を打つべく日々試行錯誤しております。

そこで今回の記事ではマーケティング組織立ち上げのフェーズで行ったことの中でも、「パーセプションフロー®・モデルの策定」をテーマに執筆できればと思っています。

はじめに


まず簡単に私の自己紹介をさせていただきます。

私は、大学を卒業後、新卒でITベンチャー企業に入社し、自社広告プラットフォームの営業と運用を4年ほど経験しました。その後、運用型広告の代理店にて様々な業態・業種のクライアント様のマーケティング課題を運用型広告という手法を使って解決して参りました。

Micoworksには2022年4月、まさに組織急拡大の最中にジョインしました。

マーケ組織の立ち上げ


私がジョインする前のMicoworksのマーケティングチームは、専任メンバーが1人と兼任メンバーが1人の合計1.5人という、組織と呼ぶのも憚られる状況でした。

一方で、年率300%超の成長を実現できていたことから分かる通り、いわゆるオーソドックスなBtoBマーケティング施策とされる展示会やセミナー、WPコンテンツ制作、WEB広告、メルマガ配信などは実施していました。

他チームの協力も仰ぎながら実施していたとは言え、前述のメンバー数と施策数のアンバランスさからも察しがつくように、どこか場当たり的で施策全体の連動性に欠けていたり、各施策のPDCAという観点では、そもそも投下できる時間や壁打ちする相手も限定的という状況だったと聞いています。

当然、フェーズによって最適な組織体制ややり方があるので、その当時で言えばそれでもよかったのだと思いますが、今後さらなる拡大、それもT2D3という大きな目標の達成を目指す上では、組織の拡大とそれに伴うチームの基盤づくりが重要です。

そんな状況を経て、2022年6月時点でMicoworksのマーケティングチームは5人に増え、やっと組織と呼べる大きさになりました。

現在は、T2D3達成に向けた事業戦略とそれに紐づくマーケティング戦略を描いた上で、各施策の専任担当が戦術に落とし込んで日々PDCAを回し出している状況です。

この状況を成立させている基盤的な要素の一つとして、組織立ち上げ初期に行った「パーセプションフロー®・モデルの策定」があります。

パーセプションフロー®・モデルとは


まずそもそも、パーセプションフロー®・モデルとは何か?というのをご紹介します。

パーセプションフロー®
・モデルは、Coup Marketing Companyの音部大輔氏によって考案されたマーケティング・マネジメントのモデルです。
一連の購買行動プロセスを「自然な認識変化の流れ(パーセプションフロー)」として描き、組織的な協働を可能にするマーケティング活動全体の設計図です。
その習得と活用により、チームの連携だけでなく、マーケティング計画の早期立案や、規則的な活動の実行管理が可能になります。
全体設計に基づいて、個々の活動を規則的に改善できるため、確実にマーケティング効果を向上することができるのです。

(出典)パーセプションフロー・モデルとは

上記にある通り「パーセプションフロー®・モデルの構築を通じて、組織の中での共通言語を作り、結果的にマーケティング活動の効率化を図ること」が目的となります。

具体的には以下がそのイメージです。

パーセプションフロー®・モデルの構築によってマーケ施策の全体像が可視化される

各人が担当する施策は「誰のどんな認識変化を促すことが目的なのか」が明確になる

目的達成のための適切な施策(コンテンツ)を考えやすくなる

各施策の目的を理解しているので他メンバーも適切なフィードバックがしやすくなる

マーケティング活動全体の効率化が図れる


要は、マーケティング施策全体に一貫性を持たせ、それを全員で共有することで、効果的で効率的な組織連携ができるというのがポイントです。

ちなみに、マーケティング活動の全容を可視化し俯瞰する道具として「カスタマージャーニーマップ」がありますが、違いを端的に一つあげるならば、顧客の「行動と接点」に関する記述なのか「認識の変化」に関する記述となのかという理解で大枠は捉えられると思います。

また、弊社ではそのどちらも活用している状況になっています。

組織立ち上げの段階でやるべきことは様々あると思いますが、今後、一定規模のマーケティング施策を打つにあたって、コミュニケーション設計の全体像についてチームで共通認識を持つことが、パフォーマンス最大化の観点で最もレバレッジが効くという判断でこの取り組みを行いました。

パーセプションフロー策定ステップ


それでは、パーセプションフロー®・モデルをMicoworksではどのように策定したのかをご紹介します。
念のため、パーセプションフロー®・モデルを提唱しているCOUP MARKETING COMPANYが提供しているテンプレートも併せてご参照ください。笑

※COUP MARKETING COMPANY パーセプションフロー・モデル定義 量産型テンプレート Ver.3.2.1
https://www.coupmarketing.jp/framework/perception_flow_template.pdf


Micoworksでは、以下のステップを経て策定しました。

  1. ターゲット顧客が実際にMicoCloudの導入を決めるまでの認識変化フローを整理する

  2. 上記の認識変化はどのような情報提供(知覚刺激)があれば起こるのかを整理する

文字にするとシンプルですが、上記の整理が汎用的に確からしいのか、マーケティングチームのみならずインサイドセールス、フィールドセールスのメンバーも含めてフィードバックをもらい、全員の合意を得ることが必要です。

また、ある程度精度高く策定しないと、それに紐づく施策やコンテンツの質に影響を及ぼすため、一定の事前チェックと、運用していく中での定期的なチェックが必要だと思います。

パーセプションフローの効果


現在、パーセプションフロー®・モデルの策定とその運用を開始してから1ヶ月程度が経過しました。

当然、中長期的なKPI改善においてレバレッジの効くものだとは思いますが、すでにいくつか定性的な効果を感じているのでそれらをご紹介したいと思います。

大きく3つありますが「当事者意識の醸成」「コミュニケーションコストの減少」「コミュニケーションの質向上」です。

・当事者意識の醸成
これまで各人が担当する施策がマーケティング施策全体においてどういう目的や役割があるのかがやや不明確でした。
これが明確になることで施策推進をする個人のモチベーションの向上とアウトプットの質向上、さらにはマーケティングチーム(あるいは施策)全体を俯瞰して捉えることができ、全体と個別双方へのコミットが高まったと考えています。

・コミュニケーションコストの減少
上記内容と重複しますが、各施策がマーケティング施策全体においてどういう目的や役割があるのかが明確になることで、チーム内での施策フィードバックにおいて前提共有の工数を削減できました。
また共通言語があることで、これまで属人的に設定していた施策のターゲットが一定統一されるため、そこにかける工数も削減できました。

・コミュニケーションの質向上
上記2つの結果として、施策アウトプットの質向上と相互フィードバックの質も向上しました。
全体を俯瞰できるため、個別最適ではなく全体最適で思考することが可能になり、施策優先度を適切に決められるようになり、施策の抜け漏れを全員が気づけるようになりました。

おわりに


これまで、マーケティング組織立ち上げのフェーズで行ったことの中でも、パーセプションフロー®・モデルについて記載しました。

画一的な正解がなく、自社の状況や顧客の求めていることに応じて柔軟に対応することが求められますが、同様の課題を感じている事業者は多いように思います。

限られたリソースの中で、いかに組織として生産性と再現性高く施策を実行していくかが目標達成において重要だと思いますし、我々も継続的に改善していきたいと思います。

本投稿がマーケティングチームで働かれる方々の一助になれば幸いです。

最後になりますが、MicoworksはT2D3達成に向けて、一緒に働く方を募集しております!是非カジュアルに話を聞いていただくだけでも大歓迎ですので、お気軽にご連絡ください!

※ パーセプションフロー®・モデルはCoup Marketing Company音部大輔氏考案のマーケティング・マネジメント・モデルです。