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愛のしるし

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たくさんの「スキ」をもらった文章。下のほうにも良いやつがたくさんあります。
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2021年4月の記事一覧

わたしの好きな字書きさん

「文章が好きだ」と言いながら、わたしはほとんど小説を読まない。芥川賞とか直木賞とかその他諸々、書店に推される話題作にもだいたい興味を惹かれなかった。  おそらくわたしが物語のストーリーをそれほど重視していないのが原因だろう。わたしは小説を読んでいるとき、登場人物の波乱万丈な人生を追うのではなく、その端々で飾られる美しい文を掘り探している感覚だ。  例えば作家がふと何気ない1行に、わたしの文章的嗜好ど真ん中を貫く文を入れてきただけでその作家のファンになれる。何度も何度もその1行

思い出せ、群青

「どうしよう、今日は何も書くことがないな」と困り果てる視界の端に、“本棚”と呼ぶにはあまりにも少なすぎる小説たちが佇んでいた。『イミテーションと極彩色のグレー』には無彩色のグレーの埃がかかっている。そこから1冊またいだところに『三軒茶屋星座館』のシリーズ冬とシリーズ夏。  最近全然読んでないなあ、と思いながら文庫本のシリーズ冬を手に取った。何となくパラパラめくってみれば第三章・山羊座の202ページに無意味の栞が挟んである。  もう今日はこの本について書いちゃおう。  本当

就活について、雑記

 皆は今頃、就活の履歴書を書いているところなんだろうか。あるいはそんな段階は疾うに全部終えていて、面接の準備をしているところか、早い人なら来春からの行き先が決まっていたりするんだろうか。  就活をしていないわたしは大学4年生でありながら、この時期の大学4年生の実態がまるで分からない。よく連絡をとる友だちはせいぜい4人くらいなもので、その中で着々と就活をしている人も1人だけという類友現象。  かねてより言うが、わたしは決して働きたくないわけではなかった。ただ自分が「こういうふ

カレンダーから曜日が消える

 この1年で失ったものはわりとある。満員電車で聴く音楽。なけなしのメイクへのやる気。お弁当のために頑張る作り置き。たまに集まり飲むお酒。  そして、金曜と土曜の境界線。日曜と月曜の境界線。  大学3~4年にもなれば授業は減った、課題も減った。おまけに全部オンライン。加えてずーっと家に籠っているわけだから、平日と休日の分かれ目がだんだん曖昧になっていく。 「お休みの日は何をするの?」と聞かれても、もう毎日がお休みみたいなものでもあるし、逆に毎日お休みじゃないともいえる。  

正社員に向いていない

 たかが5時間、されど5時間。でもしんどいときは結構しんどい、それがわたしのアルバイト。繁忙の波がようやく過ぎていった頃、わたしは仕事の速度を若干落としつつ、1つ年下の女の子と気の抜けたふうに雑談をする。 「えっ『呪術廻戦』好きなの!?」 「好きですよ!でも何となく美咲さんと推し被っちゃってる気がします」 「それは待って、ごめんわたし同担拒否で」 「ですよね?ちょっと心配なんですけど」 「被ってる?えっとりあえず誰?誰が好きなの?」 「私は断トツで棘くんです」 「あっ良かっ

この星で1番綺麗な涙

 ほんとは大丈夫なんかじゃないのに「大丈夫です」と嘘でも言わなきゃ心が死んじゃいそうなとき、人は本気で救いを求めているんだと思う。 「大丈夫です」と繕いながらも、驚くくらい素直に涙が零れてしまう。目は口ほどに物を言うから。  でもそういうときの涙に限ってとても綺麗だ。  純粋に、ただ純粋に流れる涙は心のままで、自分じゃ守りきれなくなった剥き出しの柔く脆いところを映し出す。  羊水の中で丸まっている胎児のように、産まれたての赤子のように、本質的な人の弱さを危なっかしく孕んで

言葉でしか言い表せない

 頭の中にあるモノを五感に換えて現実世界に生み落とすのは、実はあんまり得意じゃない。  既存の曲を楽譜にしたりはできるけど、自分の曲は作れない。模写や写生はわりと得意だけど、オリジナルの絵は描けない。  音楽を作るソフトを買ったり絵を描くアプリを入れたりしても、結局没頭しなかった。理由はとても単純だった。「これはわたしの表現法じゃないんだな」と早々悟る。悟れたことが幸福だったとすら思う。  それでも形にしたい何かはあったし、決してアイデアが皆無なわけではなかったはずだ。曲

これでわたしも三刀流

「二足の草鞋を履く」の類語を調べたら「二刀流」にありついた。何だ全然普通じゃないか。「井の中の蛙」は「夏の虫、氷を笑う」ともいえるみたいに、もう少し綺麗な答えが欲しかったのが正直なところ。  だけど同時に「三刀流」という言葉も頭に思い浮かんだ。両立が難しい2つのことを両立するのが「二足の草鞋」と「二刀流」なら、三刀流ではさらにもう1つを合わせてこなさなければならない。  ロロノア・ゾロってすごいなあ。  今年に入って某海賊漫画にハマったわたしは、いつの間にか「三刀流」と言