最近の日経新聞の記事から森林保全の大切さを考える
日本製紙、CO2吸収多い苗木生産 30年に1000万本【日本経済新聞(2022.1.18朝刊)】
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1.記事の概要
日本国内の森林のCO2吸収量は排出量の4%にあたるが、残念ながら高齢化のため、今後減少するようである。
そんな中、日本製紙が、成長が早い等の特徴を持つスギやヒノキの苗木を植えることを計画しているという記事です。
これらの苗木により、従来と比較しCO2吸収量を5割多くできるようです。
樹木は育つ過程でCO2を吸収するため、成長が速いほど同じ期間で取り込むCO2の量は増え、なおかつ、木材を早く売り上げることができるというメリットもあるようです。
2.私のコメント
皆さんもご存じの通り、日本の森林面積は国土の約3分の2で、世界でも森林が多い国として知られています。
そんな森林には、以下のような効用があると言われており、日本は森林から多くのメリットを享受しています。
❶生物多様性を保つ ❷地球温暖化を防ぐ ❸快適な環境の形成
❹山崩れや台風などの災害から守る ❺水を蓄え、豊かな水を育む
❻木材等の豊かな資源の生み出す ❼安らぎを与えてくれる
❽文化伝承・教育の場を提供する
このうち、今回の日本製紙の場合、主に「❷地球温暖化を防ぐ」と「❻木材等の豊かな資源の生み出す」を推進しながら、「木材の早期生産による売上向上」「企業のイメージ向上」を図ることができ、持続可能性の高い活動になっていると思います。
私も前職では、環境保全活動の一環として、国内3カ所で森林保全活動を立ち上げました。
企業が森林保全のために、活動することは非常に重要なことであり、より多くの企業が森林保全に参加して欲しいと考えています。
しかしながら、私のこれまでの実経験から言えるのは、
「自社に関連性やメリットがない中で、森林保全活動を行うと、企業として、結局そのコストを吸収できなくなる」
「その結果、途中で活動を止めてしまう可能性が極めて高くなる」
ということです。
持続可能な活動をうまく回している企業として、例えば、サントリーやリコーがあります。
3.サントリーの事例
サントリーは、自社の商品が水を使用しており、その重要性を強く認識し、サントリーグループの理念体系の最上位にサントリーグループの約束として「水と生きる」とを掲げています。
なぜわたしたちが、森づくりをするのか。
それは、サントリーにとって最も大切なものが森からやってくるから。
というフレーズに感動すら覚えます。
↓サントリーのwebsiteより
4.リコーの事例
リコーは、「グループ製品の原材料木材に関する規定」を制定しています。
この規定は、リコーグループのブランドの紙製品(PPC用紙、感熱紙など)や製品の付随品で木材を原料とするもの(マニュアル類・包装材・緩衝材・パレットなど)に関し、製造にあたり、地球環境保全および生物多様性保護の観点から保護価値の高い森林が破壊されることを防ぐことを目的としています
この規定の考え方の一環として、リコー製品の原材料木材を保全するために、全国で森林保全活動を展開しているのだと思います。
↓リコーのwebsiteより
今後、投稿の中で、私の森林保全活動の経験を踏まえ、森林保全の重要性について、述べて行きたいと考えています。