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話題のOODAループ思考を解説する⑤:ピラミッド型組織で活用する方法はこれだ!

1.ピラミッド型組織で、OODAループは機能するか?(前回投稿の概要)

OODAループは、「O観察」→「O状況判断」→「D意思決定」→「A実行」の後、「Loop改善」を繰り返す手法です。

❶臨機応変、❷即断即決、❸状況のupdateという3つのポイントで、変化の時代に対応できる意思決定方法です。

海外では、IT関連企業を中心にOODAループの効果が認められているようですが、日本では、OODAループは有効に活用できるのでしょうか。

ということで、OODAループが、日本の組織に多いピラミッド型組織で機能するのか考えてみました。

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結論としては、ピラミッド型組織では、意思決定に長い時間を要してしまい、何らかの工夫がないとOODAループをそのまま活用しても機能しないというものでした。


2.ピラミッド型組織は、なぜOODAループを使いこなせないのか

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上図は、OODAループをピラミッド型組織が活用した場合のシミュレーションです。

ピラミッド組織では、上長と部下の間で「観察」と「状況判断」を繰り返し、最終的な意思決定は、「上位職(この場合は社長)」に委ねるため、実行までに、長い時間を要しています。

原因として考えられることを以下の通り3つ挙げてみました。

❶一般職 ⇔ 課長 ⇔ 部長 ⇔ 経営トップ(社長)の長い伝言ゲーム
⇒ 判断が遅れるとともに、経営トップ(社長)が判断する時は、既に状況が変わっている可能性もある。

❷権限移譲の未実施
⇒ 権限移譲がない組織では、どうしても上位職の決定に従わなければならず、上位職に判断してもらうために何をするかという発想になっている。

❸会社としての「パーパス(存在意義)」が不明確
「何のためにこの会社があるのか」という会社としての「パーパス(存在意義)」がない、もしくは社員に浸透していないため、人によって判断に幅が出てくる。

↓ 「パーパス」については、以前の投稿を参照して下さい。


3.ピラミッド型組織でOODAループ思考を活用するための提案

2.のOODAループが使いこなせない3つの原因をなくすことで、OODAループは活用できると考え、以下の3つの提案をしたいと思います。

1)組織のフラット化

❶のような長い伝言ゲームをなくすためには、組織のフラット化が一番効果を発揮します。上図の事例なら、課長、部長の2人の存在は無意味だと思います。

また、フラット化と同時に、コミュニケーションを密に取り、最終判断者が現場の状況を常にUpdateしておくことも重要です。

2)権限の委譲

なんでも判断を社長に委ねていると、会社が回らなくなります。できる限り権限を委譲することにより、ヒトも組織も成長することができるのではないでしょうか。

3)パーパス(存在意義)の浸透

1)2)をスムーズに行うために、会社のパーパス(存在意義)を明確にすることが、非常に重要です。

基本的には、判断はヒトによるのですが、その判断の拠り所として、パーパスを軸にすると、判断の内容に大きなズレがなくなるということです。

反対にいうと、このパーパスがないと、下位役職の社員が判断する場合に、誤った判断をする確率が高くなります。

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4.結局、ピラミッド型組織では、管理職がポイント

「組織のフラット化」と「権限移譲」により、管理職が重要事項を自ら判断しなければならなくなるということです。

そのために、管理職はどうしなければならないか。

1)管理職はこれまで以上に情報交換を密に

重要なのは、現場の最新情報を常にUpdateすることです。そのためには、部下が確実に現場の観察を行い、頻繁に情報共有しなければなりません。

また、判断した際には、必ず上位職(上図の場合は経営)と共有しておくことが重要です。

2)管理職は自ら責任持って判断

そして、最も重要なことは、重要な決定に対して判断を大きく誤らないことです。

そのためには、自社及び自部門が何のために存在しているか(パーパス)を常日頃から自分はもちろんのこと、部下とも共有しておくことが必要です(下図参照)。

3)管理職は部下の成長も促す

さらには、自らの権限をできるだけ部下に委譲することも必要です。権限の委譲により、部下も自ら責任を持って行動できるような部下育成により、組織としての成長も測れます。

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5.まとめ

❶ピラミッド型組織でOODAループ思考を活用するためには、「組織のフラット化」「権限の委譲」「パーパスの浸透」の3点を提案する。

❷❶を進めて行った時に、管理職の役割は非常に重要度が増してくる。

❸管理職は、部下にも権限移譲を図ることで、ヒトや組織の成長を促すことができる。




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