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企業が生き残っていくための必須条件とは⁉️: CSVとSDGs(ローマ字が続いて恐縮ですが(;’∀’))
1.CSV(共通価値の創造)とは?
先日の投稿↓でも、話題として取り上げましたが、皆さんは、「CSV」という言葉をご存じでしょうか?
昨年、日本のCSVの先駆者であるキリンホールディングス社長の磯崎功典氏が、日本経済新聞 夕刊の連載記事「あすへの話題」の中で、この話題を取り上げていたので、読まれた方もいらっしゃると思います。
◆[あすへの話題]マイケル・ポーター先生 キリンホールディングス社長 磯崎功典【日本経済新聞2021.8.23夕刊】
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CSVは、キリンのように一部の大企業では、経営戦略の中に取り込み、大いに成果を出していますが、中堅や中小企業では、CSVに取り組んでいる企業が少ないのが非常に残念です。
企業の持続可能性(100年続く企業)を高めるためにも、重要な考え方ですので、是非、この考え方を理解した上で、経営戦略構築の参考にしてみて下さい。
CSVとは、Creating Shared Valueの略で、日本語では、「共通価値の創造」と訳されています。
「共通価値」というのは、一方は「経済的価値」を指しています。
これは、企業にとって重要な「売上や利益」のことです。
そしてもう一方は、「社会的価値」を指しています。
これは、「社会課題の解決」のことです。
「社会課題」とは、例えば「環境問題」「災害対策」「食の安全・安心」等のことです。
これまでは、企業の「経済的価値」と「社会的価値」は、決して、両立できないものと考えられてきました。
ところが、2011年、ハーバード大学の経営学者であるマイケル・ポーター教授がこのCSVの考え方を提唱して、様相が一変しました。
要するに、CSVとは、社会課題を解決することが企業の経済的な利益につながるという考え方です。
2.CSVの事例を紹介します
ここで、CSV(共通価値の創造)の3つの事例を紹介します。
共通価値とは、どういうものか、イメージできると思います。
❶ペットボトルの軽量化
ペットボトルの軽量化により、原料の石油等の使用を削減すること(社会的価値:省資源)ができ、同時にコスト削減(経済的価値:企業の利益)となります。
❷浸水被害を防止するシャッター
近年多発する豪雨による浸水被害を防止する(社会的価値:災害対策)ことができるとともに、そういったニーズをとらえたこの商品がヒット商品(経済的価値:売上増加)となります。
❸低脂肪でも美味しい食品
肥満に悩む人に美味しい食品を提供する(社会課題:肥満の人の食生活の改善)とともに、美味しい低脂肪商品という新たな市場を開拓することで、企業の健康に対する取り組みの発信となり、売上アップにも繋がる(経済的価値:企業イメージ向上、売上増加)。
3.共通価値は、どれもSDGsに繋がっている
実は、「社会課題の解決」の大部分は、SDGsの17目標に繋がっているって知っていますか。
例えば、今挙げた3つの事例で説明します。
❶ペットボトルの軽量化は、少なくとも以下の3つの目標に関係しそうです。
◆目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに(7.3 エネルギー効率)
・1本当たりのペットボトルを製造するために使うエネルギーを効率化できる。
◆目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう(9.4 資源利用効率向上、9.5 イノベーション)
・1本当たりのペットボトルを製造するのに使用する原料を削減できる。
・少ないPET樹脂でもボトル強度を維持できる技術革新を行う。
◆目標12 つくる責任 つかう責任(12.5 廃棄物の発生)
・PETボトルの軽量化により、廃棄物の重量を減少する。
❷浸水被害を防止するシャッターの場合、少なくとも目標11に関係すると考えられます。
◆目標11 住み続けられるまちづくりを(11.5 災害)
・浸水被害のような水関連災害の防止を図ることができる。
❸低脂肪でもおいしい食品の場合、目標12に繋がっていると考えています。
◆目標12 つくる責任 つかう責任(12.3 食品ロス)
・低脂肪の食品は、おいしくないものが多く、食べ残しを誘発する可能性があるが、おいしい低脂肪食品なら、食べ残しを減らすことができる。
それぞれの「社会課題の解決」とSDGsの17目標、169ターゲットに照らし合わせると、何らかの形で繋がっていることが分ります。
4.共通価値 ≒ SDGs発想が企業を変革する
かつて、社会をより豊かにするために求められていた企業「メセナ」の活動では、自社の事業とは直接関係のない芸術や文化を支援してきました。
また、森林保全活動に携わっている企業では、自社の事業が全く森林とは無関係な事例も多々あります。
CSV(共通価値の創造)の考え方は、自社の事業を推進することで如何に社会課題を解決するかです。
「社会課題の解決」と「自社の強み」を掛け合わせて、自社の「持続可能性(サステナビリティ)」のために何ができるか考えてみましょう。
ここで、先程説明した通り、社会課題の大部分は、国際的に共通の目標であるSDGsに何らかの形で繋がっています。
即ち、「共通価値」≒「SDGs」と考えて見ては如何でしょうか!?
ということは、企業が自社の事業に関連するSDGsの目標やターゲットを明確にすれば、今の企業活動の視点を変えるだけで、SDGsも同時に追うことができるのです。
実を言うと、今の企業活動をSDGsという視点で整理すると、これまで思いもつかなかった全く新しい商品やサービスを生み出すことができるかもしれません。
近年、企業が生き残っていくためには、「持続可能性(サステナビリティ)」が重要であるといわれています。
本投稿で説明したように、「CSV」、そして「SDGs」は、企業の「持続可能性(サステナビリティ)」の救世主になる考え方なのです。
「共通価値」≒「SDGs」の発想が企業の変革を生むということに是非注目してみて下さい。
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