今日の日経新聞夕刊の記事『ANA、「空飛ぶタクシー」参入』を読んで:ヘリコプターとの違いは何かを調べてみた
1.ANA、「空飛ぶタクシー」参入
今日の日経新聞夕刊記事に、ANAが「空飛ぶタクシー」参入するという記事がありました。最近、「空飛ぶタクシー」の話題が多くなっているような気がします。
まずは、ANAの記事の概要をご紹介します。
◆ANA、「空飛ぶタクシー」参入 トヨタ出資の米社と 関空→大阪市内15分【日本経済新聞2022.2.15夕刊】
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ANAホールディングスが、トヨタ自動車等が出資するアメリカ新興企業、ジョビー・アビエーションと業務提携して、日本で「空飛ぶタクシー」の運航事業に参入するという記事です。
この記事によると、機体は5人乗り、最高速度 時速約320キロメートル、連続飛行約240キロメートル。自動車で約1時間かかる関西国際空港-大阪駅間を15分以内に移動できるようです。
2025年の大阪万博を機に空飛ぶクルマの実用化を目指しているとのこと。
2.ボーイング出資企業も日本への参入を表明
一方、先日の投稿でも紹介しましたが、ボーイング出資企業も日本への参入を予定しており、「空飛ぶタクシー」の実現が最早そこまで来ているというワクワク感が出て来ました。
◆空飛ぶタクシー、日本投入 ボーイング出資の米新興 電気駆動・自動運転【日本経済新聞2022.2.14朝刊】
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3.素朴な疑問:「空飛ぶ車」は「ヘリコプター」と何が違うのか?
Websiteでヘリコプター使用の場合の費用と時間を見積もってみました。大阪府此花区の大阪ヘリポートから関西国際空港まで(約30キロメーター)、ヘリコプターを使用すると片道12分、3人までなら概算176,000円(1人当たり約59,000円)でした。
よく考えると、「空飛ぶ車」と言っても、今のヘリコプターと何ら変わらないような気がします。それでは、どうしてこれだけ、注目を浴びているのでしょうか?
4.「空飛ぶ車」の定義
そこで、「空飛ぶ車」の定義について、調べてみました。
国土交通省 航空局が発行している令和3年「空とぶクルマについて」という資料では、以下のように記載されていました。
・明確な定義はないが、「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」がひとつのイメージだそうです。
具体的な「空飛ぶ車」の特徴(将来的なイメージ)をヘリコプターとの比較で記載されていました。
■電動 部品点数 少ない (整備費用 安い)
騒音 小さい
自動飛行との親和性 高い
■自動(操縦) 操縦士 なし (運航費用 安い)
■垂直離着陸 離陸場所の自由度 高い
この情報から、「空飛ぶ車」は「ヘリコプター」と比較したメリットとして、
❶運賃を安く抑えられる
❷騒音が小さい
❸自動運転ができる
❹脱炭素を推進できる(但し、電気の再生可能エネルギー化が前提)
という4点が見えて来ました。
一方、デメリットとしては、「連続飛行距離」が現時点では短いようです。
Webで調べてみると、「ヘリコプター」では、2〜6時間連続の飛行が可能のようですが、「空飛ぶ車」は、今日の記事から推定すると、1時間程度のようです。
電気自動車もそうですが、今後、連続飛行(走行)距離の技術が、企業の雌雄を決めていくような予感がします。
5.国が考えている「空飛ぶ車」の未来
令和元年に閣議決定した「未来投資戦略2019」には、
“空飛ぶ車”の実現に向けた「空の移動革命に向けたロードマップ」に基づき、2023年からの事業開始を目標として、それまでに必要な技術開発や機体の安全基準をはじめとする制度の整備を進める。
と記載されています。
イメージとしては、2023年 「物の移動」の事業化
2025年 「人の移動」の事業化 (大阪万博に向けて)
2030年以降 「都市での人の移動」の事業化
となり、「空飛ぶ車」の社会が2030年には、ほぼ実現しているようです。
6.最後に
私は、空飛ぶ車の一番の課題は、「安全性」だと思います。陸地を走る自動車でも、現在、交通事故がゼロにはなっていません。
空飛ぶ車が万が一事故を起こした場合、自動車事故とは比較にならない大災害が起こってしまうことが予想できます。
今後、自動運転技術がどこまで技術革新を果たし、無人の空飛ぶ車を如何に安全に運行させるかがカギになっています。
各社の技術開発に期待したいと思います。
安全な「空飛ぶ車」が普及すれば、ビルの屋上や広場に多くの発着所ができ、スマホで呼び出すことで、手軽にどこでも行けるようになるのではないでしょうか。
空を多数の空飛ぶ車が飛び交う、未来予想の絵のような未来がすぐにやってくると思うとワクワクしますね。
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