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PDCAサイクルとOODAループ【後編】:変化の激しい時代の「PDCAサイクル」と「OODAループ」の活用法

1.前回投稿のおさらい

まずは、先日投稿した【前編】のおさらいをします。

1-1)PDCAサイクルの説明

「PDCAサイクル」は、もともと「品質改善の手法」だったが、現在では、多くの企業が、「目標達成」「業務改善」「業務効率化」等のマネジメント手法として活用している。

❷「PDCAサイクル」は、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」と「Cycle(何度も回す)」のステップでできている。

❸「PDCAサイクル」は、何度も何度も回さなきゃ意味がない。

❹「PDCA」はできている人はいても、「PDCAサイクル」ができている人は少ない。

「PDCAサイクル」は、しっかり「Act(改善)」して、「Cycle(何度も回す)」が最も重要である。

1-2)OODAループの説明

❶「OODAループ」は、もともと、戦場で敵機に囲まれ戦闘機がどう対応すべきかを考える手法だったが、それを企業戦略として活用する企業が増えて来た。

「OODAループ」は、予測が付かない情報に対して効果的な手法である。

❸「OODAループ」は、「O(観察)」「O(状況判断、方向付け)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」と「Loop(改善)」のステップでできている。

これらのステップを一瞬のうちに行うのが「OODAループ」の神髄である。

ポイントは、①臨機応変、②即断即決、③状況のUpdateの3つである。

1-3)VUCAの時代の説明

❶VUCAの時代とは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」という変化の激しい時代を表す4つの英単語からなる造語である。

正しく今のように、VUCAの時代では、変化が激しすぎて、結局のところは、「計画」が全く役に立たない。

❸そうなると「PDCAサイクル」自体が成り立たない。

❹一方、「OODAループ」は、個々人が責任を持って、企業全体に影響を及ぼす判断を下す必要があるが、本当にそんなことができるか?

ここまでが、前回投稿の内容です。


2.「VUCAの時代」にどのように対処したらよいか(3つの私案)

VUCAの時代は、正解がない時代でもあります。

今回3つの私案を提示しますが、どれが良いというのは、特にありません。

残念ながら、業界、企業、組織体制、経営トップ、経営層、中間管理層、一般職が異なれば、結果は当然異なってくるものです。

是非、3つの私案を参考にして、自分の企業だったら、どれで行くのが良さそうかと考えて見て下さい。

2-1)「PDCAサイクル」を活用し続ける

変化が激しいのなら、PDCAサイクルもとにかく変化に遅れないように回すということです。

企業でこれをやる場合は、経営トップや経営陣も、スピードアップしたPDCAサイクルについて行く必要があります。

通常、企業のPDCAサイクルは、1カ月で回すことが多いのではないでしょうか。

ひと月を締めた後、各部門がとりまとめて、翌月の中旬くらいに前月のレビューを行う。

そんなことしていては、変化においていかれてしまいます。

変化においていかれないようにするには、翌月中旬にレビューする内容がいつでも経営トップや経営陣が見ることができることが必須です。

そのために、DXを活用して、必要なKPIが毎日更新されるような仕組みにすることが必要です。

そうすれば、日々の変化を経営トップや経営陣が捉えることができ、経営判断を瞬時に行うことができるようになります。

経営判断する仕組みとしては、上に挙げたDX活用ですが、一方では、従業員全員が「PDCAサイクル」を素早く回す必要もあります。

それは、以前の投稿でも紹介しましたが、「鬼速PDCA」の手法がいいと思いますので紹介します。

↓詳しくは、下の投稿の「5.【第1位】鬼束PDCA」をご覧下さい。

「PDCAサイクル」を鬼速で回す以下の必要条件10個を全従業員に浸透させるということです。

「❶因数分解で精度の高い仮説を立てる」「❷仮説思考、リーン思考で動く」「❸常にインパクトの大きい課題、行動から着手する」「❹行動のアイデアが湧いたらすぐにタスク化する」「❺行動目標も必ず数値化」「❻TODOの進捗管理は毎日行う」「❼こまめに検証を行う」「❽要因分析時は「思い込み」をはずす」「❾次のサイクルに迅速につなげる」「❿小さいPDCAを同時に多く回す」

2-2)「OODAループ」を採用する

「PDCAサイクル」を止め、企業全体として「OODAループ」を採用するやり方です。

今の日本の大企業に多い、ピラミッド型組織を完全に解体する必要があります。

これは、以前の投稿↓で紹介した「ティール組織」への移行を意味します。

「ティール組織」とは、生命のような進化型の組織です。

変化への対応を重視するため、各社員が自律的に行動する。

特徴としては、❶上下のないフラットな組織、❷各人の目的を擦り合わせて組織の目的を決める、❸情報共有が積極的という3つの点です。

この「ティール組織」は、「OODAループ」を活用するための「組織のフラット化」、「権限の移譲」、「パーパス(存在意義)」の浸透が既に出来上がっている組織です。

そのため、ピラミッド型組織をティール組織に変更して、「OODAループ」で企業運営するということです。

但し、ティール組織に移行するためには、従業員全員が企業および自分自身の「パーパス(存在意義)」を理解するとともに、企業を左右するかもしれない判断ができる教育が施されていなければなりません。

2-3)「PDCAサイクル」と「OODAループ」を使い分ける

最後は、両方のいいところをうまく活用するという方法です。

いろいろな併用パターンがあると思いますが、私は、中長期計画を「PDCAサイクル」で回し、状況変化に応じて「OODAループ」を使う方法を提案します。

考え方としては、企業の「パーパス(存在意義)」「理念」「ミッション」を明確にし、従業員全員に浸透させる。

そういう背景のもと、中長期計画(5〜10年程度)を作成し、「PDCAサイクル」に基づいて企業経営を行う(下図参照)。

スライド1

大きな変化がない時は、各年度の「Goal」を微修正し、基本的にはあくまでも最終「Goal」を目指していく。

しかしながら、下図のように、想定外の大きな変化があった場合は、一時的に「PDCAサイクル」から「OODAループ」に変更し、経営の迅速な判断および必要に応じ権限移譲により、想定外ゾーンに対処する。

スライド2

そして最終的には、やはり当初描いた最終Goalに着地させるべく努力するというやり方です。

この想定外ゾーンでは、いきないティール組織に変更することはできないので、以前の投稿で紹介した「アジャイル型組織」を発足します。↓

「アジャイル型組織」とは、変化の激しい時代に対応できる組織です。

「アジャイル型組織」とは、企業全体を組織化する「ティール組織」とは異なり、各部門から必要最低限の人員を集め組織化し、小さな単位で計画・実装・テスト・リリースを繰り返す手法です。

「アジャイル型組織」内では、全員に権限が付与されるため、自律して分散して責任を負う必要があり、実行や学習が重視されます。

緊急事態に、各部門のエースを集めて、プロジェクトチームを作り、想定外に相対するという手法になります。


3.まとめ

変化の時代に対応する手法として、

❶DX導入によるPDCAサイクルの進化

❷OODAループへの移行とともにティール組織に移行

❸PDCAサイクルとOODAループの併用

の3つの私案を紹介しました。

この他にも、いろいろな対応策があると思います。

正解のないこの時代には、このようにいろいろな案を提示して、自社の今の状況には、どれが一番合っているかを考えた上で導入することが重要だと思います。

また、選択した手法が誤りだと気付いた時は、すぐに新たな方法に移行する臨機応変さも必要になってくると思います。

いずれにせよ、私の私案が皆さんの参考になればと考えています。



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