カーボンニュートラルとは一体何だ!?身近でカーボンニュートラルに取り組むには?
最近、よく使われる言葉に「カーボンニュートラル」があります。この言葉は、ニュアンスは何となく分かりますが、具体的にはどういうことなのでしょうか。
1.カーボンニュートラルと脱炭素の違いは?
「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素の排出削減の努力の結果、削減しきれなかった分を森林保全活動や植林による吸収量を差し引き、「温室効果ガス」の排出量と吸収量を実質ゼロにすることを目指した取組みを指しています。
このように、実質的に二酸化炭素排出量をゼロにした状態を「脱炭素」と言い、それを実現した社会を「脱炭素社会」と呼びます。
2020年10月、政府は2050年までに「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しています。
2.きっかけは、パリ協定
地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、2015年にパリ協定が採択され、世界共通の長期目標として、
◎世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)
◎今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること
等を合意しました。
それ以前は、「低炭素社会(二酸化案素排出量を削減することを実現した社会)」を目指していましたが、低炭素社会では、このパリ協定で決まった「世界平均気温を1.5〜2℃に抑える」という目標の達成が難しいと判断されたため、「脱炭素社会」を目指すようになっています。
この世界共通の長期目標の実現に向けて、世界が取組みを進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げているところです。
3.なぜ、世界がカーボンニュートラルに取り組むのか
地球温暖化による危機が叫ばれて久しい現代ですが、世界の平均気温は2017年時点で、工業化する前の1850年頃と比べると、既に約1℃上昇したことが発表されています。
このままの状況が続けば、更なる気温上昇が予測されています。
気温上昇とともに海水の温度が上がり、その結果海面が上昇し、国土が消えてします可能性も出てきています。
2100年までにニューヨークやサンフランシスコが水没するという予測まで出ており、地球温暖化を今すぐ止めなければならない大問題になっています。
そのためにも、世界はカーボンニュートラルに取り組むことが極めて重要です。
4.国内のCO2排出量の約6割が衣食住を中心とする「ライフスタイル」に起因
気候変動の原因となっている温室効果ガスは、経済活動・日常生活に伴い排出されています。
日本国内のCO2排出量の約6割が、衣食住を中心とする「ライフスタイル」に起因しているとのことです。一人当たり、なんと年間7.6t-CO2排出を排出している計算になります(2017年)。
我々が、生活の中でちょっとした工夫をしながら、無駄をなくし、環境負荷の低い製品・サービスを選択することで、こうしたライフスタイルに起因するCO2削減に大きく貢献することができます。
5.身近にカーボンニュートラルに取り組む方法
脱炭素社会の実現には、一人ひとりのライフスタイルの転換が重要です。
環境省では、できることから始めよう、暮らしを脱炭素化するアクション!と銘打って、「ゼロカーボンアクション30」を提言しています。
ゼロカーボンアクション30とは、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」という高い目標の達成に向けて、社会の仕組みを大きく変えていくことに加えて、日常生活の中で、一人一人のライフスタイルに合わせて、できる8カテゴリー30のテーマの身近なアクションです。
8カテゴリーとは、以下の通り。
❶「エネルギーを節約・転換しよう!」
❷「太陽光パネル付き・省エネ住宅に住もう!」
❸「CO₂の少ない交通手段を選ぼう!」
❹「食ロスをなくそう!」
❺「サステナブルなファッションを!」
❻「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」
❼「CO₂の少ない製品・サービス等を選ぼう!」
❽「環境保全活動に積極的に参加しよう!」
詳細は、以下のwebを見て下さい。30テーマの具体的内容を見ることができます。
この8カテゴリーの身近なカーボンニュートラルをSDGsの17の目標と照らし合わせると、下図のようになります。
カーボンニュートラルは、SDGsの「13気候変動に具体的な対策を」そのものですが、8カテゴリーの活動を進めることにより、SDGsの11の目標と関連付けることができます。
6.まとめ
本投稿では、カーボンニュートラルとは具体的にどういうことかについて、websiteを調べながらまとめましたが、以下のようにいろいろなことが分りました。
❶「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素等の「温室効果ガス」の排出量と吸収量を実質ゼロにすることを目指した取組みである。
❷実質的に二酸化炭素排出量をゼロにした状態を「脱炭素」と言い、それを実現した社会を「脱炭素社会」と呼ぶ。
❸地球温暖化対策のために、パリ協定で「世界平均気温を1.5〜2℃に抑える」と決めたが、この目標の達成が難しいため、「脱炭素社会」を目指すようになっている。
❹これを受けて、政府は2050年までに「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しています。
❺環境省は、身近なライフスタイルからカーボンニュートラルを目指すために「ゼロカーボンアクション30」を提言している。
❻この「ゼロカーボンアクション30」を推進は、SDGsの「13気候変動に具体的な対策を」の目標を始め10以上の目標に対応している。
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