2024年 成人の日を前に
早いもので私にとって、本来の成人式は7年前、「何がなんでも振袖を着てやる」とリベンジ成人式を決行したのは約3年前になる。
20歳の成人式は欠席した。以前投稿したかもしれないが、当時は成人式に出たくなかった。いや、今振り返ると、成人式には出たかったのだと思う。出たかったけれど、当時の人間関係を憂い、そして何より「自分の納得のいく姿」つまり振袖を着て成人式に出ることを、まだ恐れていたから。
そして3年前、2021年の年明けにネットショップのレンタル品から実店舗の商品までさまざまな振袖を比較検討、購入し、4月の25歳の誕生日にリベンジ成人式を執り行った。振袖はもちろん帯や草履、鞄など、着付けや撮影に必要な小物はすべて自費で揃えた。3年ローンで。今月末にやっと払い終わる。
そんなこんなで20歳を過ぎてからというもの、毎年この時期に振袖、スーツ、袴姿の新成人たちを見かけると、つい羨望の眼差しを向けてしまう。
その陰で、私と境遇は違えど成人式に出席しない、できない新成人がたしかに存在することも、私は知っている。
心から望んで成人式に参加できる方へ。「成人式に出席しよう」と思える素敵なご縁を大切に。
何らかの理由で参加できない方へ、その決断、結果をどうか後ろめたく思わないでほしい。たしかに「20歳で迎える成人式」という一生に一度の瞬間は逃してしまうかもしれないが、挽回ならいくらでもできるから。
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少し昔話をさせてほしい。
「次は成人式で会いましょう」
中学の卒業式を終えた後、最後のHRでみんなが口々に約束を交わした。もちろん、私もその1人だった。
私は中学時代に学級委員を毎年担当し、幸運なことに学年の中でも一目置かれた存在の1人だった。私にとって中学時代は、もちろん大変なことも多かったが、比較的楽しい記憶の多い学校生活だった。
そんな私が、まさか20歳の成人式を欠席するなんて。
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すべてが変わったのは高校への入学後(ここではC高としよう)。私はC高に入ってから髪を伸ばし始めた。ちなみにC高は山に囲まれた片田舎の公立高校で、かつ当時の私はまだ学ランを身にまとった男子生徒だった。
(中学時代は校則を遵守し、また学級委員としていわゆる「男子生徒らしい」短髪を保っていた。C高には「男子生徒は髪を短くしなければならない」という校則は無かったため、私は入学を機に髪を伸ばす決意をした)
C高の在校生には、私の出身中学(便宜上N中とする)の生徒が多くを占めていた。私の学年にも元N中生の3分の1くらいがC高に進学した。
私が髪を伸ばし始めてからというもの、N中時代に仲良くしていた相手がだんだんよそよそしくなるのを感じた。「気持ち悪いんだよお前」と直接言われたこともあった。やがてN中生に限らず、朝登校すればどこからともなく笑い声というか、私の姿を前に「来た来た来た来た!」と野次馬のような話し声が耳に入るようになった。
昇降口から自分のクラスへと向かう長い廊下は、まるで嘲笑と蔑視にまみれたランウェイのようだった。気がついたら、高校で過ごした3年の間で、元N中生の同級生と話すことはほとんどなくなっていた。
「20歳の成人式」それはN中生、もといN中出身の元C高生たちと再会することを意味した。よって「テメエらと交わす盃(さかずき)はねえ」と、届いた成人式の招待状をその日に破り捨て、どうやって繋がったのかわからない同窓会のグループラインの招待も拒否し、成人式に少しでも関わるであろう同期の連絡先もすべてブロックした。
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あれから7年。今の私の交友関係には、なんとN中出身の元C高生がちらほらと見受けられる。一緒に飲みに行ったり、たまに連絡を取り合ったり。
私はまだ27年しか生きていないが、ふと感じることは、人との縁にはタイミングがあるということ。7年前に仲の良かった友人と今は絶交していたり、金輪際会うことはないと思っていた人間と、今になって再会したり。
だからこそ、だからこそ。明日の成人式へ出席する方へ。「出席していいんだ」と無意識にでも背中を押してもらえるそのご縁を、永遠にとは言わない。今この瞬間だけでいいから、大切にしてほしい。
明日の成人式に出席できない方へ。もし今の境遇を後ろめたく感じているのなら、どうか自分を責めないでほしい。
今この瞬間に素敵なご縁があろうと無かろうと、その喜怒哀楽、またいずれにも属さないその感情は、きっとこれから先に待ち受ける困難を乗り越える糧になってくれるはず。
もうひとつ、今身の回りにあふれるご縁がかけがえのないものだとして、もし近い将来に壊れてしまったら、その選択をした過去の自分を責めないでほしい。もし過去の選択を否定するのなら、それは当時の楽しかった記憶も否定してしまうことになる気がするから。
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最後に、ここ最近私の胸を打った歌詞を引用してこの投稿を閉じようと思う。
新成人の皆さま、どうかこれから歩んでいく人生が、幸せなものでありますように。
2024.01.07 みっきー