吾輩は二十歳の猫
我が家には、母の遺した二匹の猫がいる。
その片方のラピスが、今年の3月15日でハタチになった。
数年前から「目指せ20歳!」と獣医さんからにっこり掛け声をかけられ、どうかな大丈夫かなと思っていたのが、割とつつがなく迎えられた。
下は誕生日3月15日撮影。おじいちゃんっぽくなったよね。
つつがなく、元気。
と言っても耳はほぼ聴こえず、鼻もだいぶ悪く、目は完全に見えない。
ラピスと言う名をつけたのは、瞳が綺麗に輝く青だったからで青い石のラピスラズリによる。
それは昨年のある日のこと、ラピがぐるぐる部屋を回っていた。
壁に沿って歩き、顔が壁にぶつかると曲がり、ずっと歩き続ける。何周も何周も。初めてのことだった。
ボケたのか?!と驚きながら眺めているうちに、真っ暗な洞窟の中を歩く時は壁に手をつけて歩くんだっけかな?これは暗闇にいるような状態で見えないのではないのかと思い、獣医さんに見せたらやはりそうだった。
気がつくとラピの瞳は真っ赤だった。夜も昼間も常時。青いことはない。
瞳孔が開いて閉まらないらしい。
ラピスラズリでなくてルビー。(ちょっとカッコ良すぎ)
ラピちゃんは、ルビちゃんになった。いや、呼ばないけどね。
どっちかというと葡萄みたいだ。
慣れてきてだんだん大回りはしなくなったが、部屋の隅などで小さく同じところをグルグル回り続けることはあって徘徊かと、、ちょっとボケてるかも。
それでも、見えなくなった最初から餌の場所やトイレなど少し戸惑いながらもしっかり行けているのはすごい。
たまに失敗するのはご愛嬌。
目が見えている頃より、運動量はかなり増えているはず。元気のもと、長生きの元は足腰から、だよね。
昨年末、血液検査をしたら特に悪いところはないそうで先生も驚いていた。心配していた腎臓もギリギリだけど許容範囲ということでホッとした。
そして、若い頃は気が強くて怒りんぼだったのが日増しに甘えん坊になってきている。いつの間にか私の座っている椅子の足元にくっつくようにして眠っている。
本当に可愛らしくなった。
よく食べて、よく寝て、よく歩いて。どんどん可愛くなって。
次は何歳を目指そう?ラピくん。
いや、何にも目指さずのんびり行こう。
それこそが猫にとって当たり前か。
幸せでいてほしい、と飼い主は願っているよ。
そしてラピくんに負けないように元気でがんばるよ。
若いラピス
10年前
2011年。カレンダーの一枚に参加。