#6 Jacques Duhly -- La Forqueray--

ジャック・デュフリ(1715〜1789)はフランス ルーアン生まれのオルガン奏者、チェンバロ奏者。
1742年以降パリで活躍した作曲家です。
公式の役職にはつかず、クラヴサン奏者・教師として高い名声がありました。
チェンバロ以前のオルガ二スト歴は以下です。
エヴルーの大聖堂のオルガニスト
1734年で聖エロイ大聖堂のオルガニスト
1740年ノートルダム・ド・ラ・ロンド教会のオルガニストを務めました。
フランソワ・ダジャンクールとジャン・ジャック ルソーに学びました。

余談ですがノートルダム寺院というのはノートルダム(Our Lady 私たちの貴婦人)という意味で聖母マリアに捧げられ名付けられた教会で、フランス語圏の都市に建てられました。フランスのみならずベルギー、ルクセンブルグ、カナダ、ベトナム、アルジェリアなどに聖堂があります。

デュフリに戻ります。
パリに移動したあと、クラヴサン奏者や教師で活躍しました。4冊のクラヴサン曲集を出版しました(1744年、1748年、1756年、1768年)。4冊の出版後、突然行方不明になり、1788年のフランスの新聞記事に
「1767年にパリでチェンバロの教師をしていたM, Du Phlyに何が起こったのか知りたい、又は相続人に連絡したい」という記事が載りました。その後、1789年7月15日、バスティーユ襲撃の翌日にアパートで孤独に亡くなりました。残されたのは蔵書だけであってチェンバロは所有していなかったということです。その他の財産の殆どは30年間仕えた召使いに遺したということです。なんともドラマティックです。
当時のクラヴサン製作家パスカル・タスカンは「デュフリはパリで最高の教師の1人であった」と語っています。

この作品、ラ・フォルクレーはルイ14世に仕えたヴィオラ・ダ・ガンバの巨匠の名です。

デュフリの作品集の中にはこのように大巨匠の名を冠した作品が多数あります。
ヴィオラ・ダ・ガンバの弓使いと低音の魅力がモダンチェンバロの低音の魅力にも通じます。

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