自転車四国一周⑨しずむ夕日が立ちどまる町・双海
土砂災害の警報に恐怖が消えず、悪者に鼻をかじられる怖い夢を見る。熟睡できぬまま4時起床。
宇和島はまだ雨が降り続いているようで、警戒レベルは危険の4から下がったものの警戒の3。まだ怖い。ただ、高知側の宿毛は小雨でほとんど気にならないレベル。宇和島に着く頃には警戒レベルが下がっていることを願い、意を決して出発。ホテルに空気入れが常備されていて助かる。
雨のせいで気温も低く、走りやすい。ただ雨がやめば、気温は上がるだろう。
走り出して1時間ほどで愛媛に入った!
1週間ぶり。2日目の朝にシフトレバーが折れた時は、想像もできなかった。諦めずに走ってきてよかった。
再び海沿いの道へ。このまま雨がやんでくれるといいなと願ったが、宇和島まであと少しの柏あたりで、雨が強くなってきた。
雨雲レーダーを見ると、30分ほど続きそう。ローソンで雨宿りさせてもらう。
レーダーの予想通り、30分でぴたりと雨がやむ。気象庁のサイト「キキクル」でも、宇和島の土砂警戒がレベル2へとダウン。戦略通りだ。
以後、雨は降ってもパラつく程度になったが、気温が上昇しはじめる。
この辺りはオレンジロードというらしい。名産の柑橘系由来かな。ただ、内陸へとは進まず、海沿いを走る。
曇っていても、海沿いの道は気持ちい。
トンネルも多いが、自転車専用のトンネルがあるので助かる!!
宇和島の手前で、おにぎりセットのモーニング。
そういえば、出発前に摂ったプロテインゼリーはえらくまずかったな。
ブルーラインに沿って走っていたら、甲子園の名門・宇和島東高校がっ!
静かに興奮!
さあ、いよいよブルーラインにゴールの松山が出てきた。その気になれば、今日中につけそうだが、今日の目的地は、手前の双海町。
海沿いの「夕やけこやけライン」を夕方に走りたいと考えている。
宇和島からは西予まで長い登り坂が続く。気温もあがり、体もきつい。
途中のカフェでスタミナ丼のランチ。
めちゃくちゃチャーミングな娘さんが、大きな笑顔で迎えてくれた。親父さんのつくる味はちょっと濃すぎたけど、娘さんの笑顔に癒される。
店内には、17歳のダックスもいた。
大雨で走ってきたせいで、自転車が泥だらけ。チャーミングな娘さんにお願いして、店先にあるホースをお借りする。
心もチャリもすっきりして、再び走り出す!
内陸の大洲方面に進めば早いのだが、ここは四国一周推奨ルートの海沿いの道を選ぶ。もう疲れたけど、仕方ない。
大きな港のある八幡浜に入る。かなり大きな市場もあって、盛り上がっている。
ブルーラインは太い国道ばかりではなく、街中の道も走る。
今は誰も走っていないけど、ピークシーズンなんかはチャリであふれたら危なそうだ。
いよいよ海沿いの道へでた!
めちゃくちゃ気持ちいい!!
伊予灘をのぞむ夕やけこやけライン!
おだやかな海。この旅でいちばん美しい景色かもしれない。
どこまでもフラットな道が続く。
150キロ以上駆け抜けて、「しずむ夕日が立ちどまるまち」伊予市双海町(ふたみまち)までやってきた。
海に浮いてるように見える「下灘駅」
目の前の瀬戸内海に沈む夕日。
双海は、なんておだやかで美しい町なんだ。
海沿いを走る「夕やけこやけライン」は、この旅のハイライトになった。
今日はかなり疲れた。もうボロボロだ。でも、双海の夕日を見ることができてよかった。
ついに松山まで残り25キロ。ゴールはもう目の前だ。