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17歳下の弟
小さな弟が10歳くらいまで
たまに会っていた
可愛くて仕方ない
よく遊んだ
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28年前のある日
電話で父と1つ下の弟がもめて
「今から行くからまってけよ!」と
1時間近くかけて車でくる!
もう怖くて怖くてわたしは玄関の外で待つ!
会わせてはダメだと直感した
その頃の父は右翼団体の会長で探偵業をしていた(ヤクザみたいなもんだと思っていた)
事務所の人はチンピラばかりだった
直感は当たり包丁をもってきた父
ただの脅しだとはわかってたけど
どうなるかわからない
たまに気狂いになる人だから
父を部屋に入れない様に車の中で説得してる間
(19歳のわたし怖かったよね、よーやった!)
母は警察に連絡したけど家族間のトラブルで明らかに暴力などがないなら入れないと。。。
殺人事件の半数近くが家族間だというのに!
弟はわたしが心配で出てきてしまった
父は正座させて包丁をちらつかせた
(テレビドラマやん)
その日わたしの当時の彼が遊びに来ていたのがよかった!
彼が包丁を父から奪いことなきを得た
(ちょっと怪我しちゃってたね、ごめんね)
ある時には窓ガラスを割って入ってきたこともあったと(わたしは留守だった)
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父は17歳下の弟を男手1つで育てるのに
0歳から平日は施設に預けて週末だけ一緒に過ごす生活をしていたけれど
また女ができて
高学年になると家に帰りたがらなくなったとか
その頃から父のわたしへの金の無心が始まった
生活費をなんとかしてほしいと
20代になったわたしは家を出ていたしOLをしながら夜は北新地でホステスをしていたから少し余裕があった
過去の壮絶な経験から
断るのが怖くて何度か渡してしまった
親からお金をくれと言われるなんておもってもいなくてショックと恥ずかしさと過去の怖い経験をだれにも言えずますます心に蓋をした
表向きは誰とでもうまくやる八方美人になっていたけど、心には深い闇があった
そしたら今度は父の女からも連絡がくるようになり連絡を断つことにきめた
小さな弟には会えなくなった
だけど、わたしも忙しかったのと
父と連絡を切ることの方が自分のためだとおもっていたから
そのまま時は流れた
11年前弟が19歳になった時
連絡がきた
「今度だんじり引くから見にきてよ」と。
9年ぶりに弟に会えた
もちろん大きくなっていたけど
恥ずかしがり屋なところは変わらない
控えめな青年になっていた
そこから兄弟3人で連絡をとるようになったが、それをいいことにまた父も連絡をしてくるようになり
またお金のことを言ってくる
断りきれずまた送金、、
もう気持ちが限界だった
勇気を出して断ると
しばらく連絡は途絶えた
小さな弟は18歳で施設を出ないといけなかったから実家に戻り仕事をして
稼いだら父に渡していたのだろう、、、
7年前
小さな弟は
いい仕事があると騙されて
連れて行かれた遠い地で
事件に巻き込まれ23歳の若さで亡くなったんだ
産まれてからすぐに母がいなくなり
施設で過ごした長い時間
18歳で実家に戻り稼いだお金は父に渡す
小さな弟の心も病んでいた
弟は何のために生まれて来たのか
考えても答えのないことを考えていた
わたしは何もできなかった
逃げた自分を責め続けた
つづく