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ちょいちょい書くかもしれない日記(秋晴れ)

朝のうちに、前庭の植栽スペースの土を整える作業を少し。
掘り返してミミズを避難させてから、これで三回目の熱湯消毒。
前庭の、秋のヨトウの登場頻度が明らかに下がったので、やる意義はありそう。
湯沸かしケトル、たぶんもう10年近く使っている。
清掃は定期的にしてきたけれど、樹脂の変色は避けられず、そろそろ交換のタイミングなんだろうな。
買い換えたあと、しばらくは庭土の殺菌用アイテムとして働いてもらうことにしよう。
作業をしていたら、いつものカラスが来た。
私の作業を物理的上から目線で見物したり、思わせぶりにコンクリートの塀の上を、わざと足音を立てながら歩いたりする。
素直に、「何か食べたい」って言えばいいのに。
買ったものの果肉がふかふかタイプで、シャリシャリタイプが好きな私には合わなかったリンゴを進呈した。
丸ごとは嫌だと言うので、庭にペティナイフを持ちだして、切りながらあげた。
24年切れ味保証がついていた、24年、一貫して変わらず切れ味が悪かったイギリスのナイフである。ある意味、筋が通っている。
もうちょっとしたら、富有柿が来るよ。ジュクジュクになった奴は私は食べられないから、君にあげるね。呼んだらおいで。と伝える。
カラスは賢いので、おそらく伝わっているだろう。
ついでに、私が小さく剪定して枝を積み上げた場所も教える。
巣材に好きなだけ持って行っていいからね、のお知らせだ。

2日連続ではあるが、週明けからは仕事や用事でなかなか行けそうになので、母に面会してきた。
母は、ナースステーション前にあるスペースで、他の患者さんたちと一緒にレクリエーションの最中だった。
レクリエーションといっても、
「老いては?」「子に従え~」
「一寸の虫にも?」「五分の魂~」
と、まるでコール&レスポンスのようにことわざを完成させていく単純なやりとりだ。
存外、言えている。
看護師さんが、「お部屋で話してください」と、車いすを病室まで押してくれた。
見ていると、ベッドの柵に掴まってどうにか立ち上がることはできるようになっているようだ。しかし、歩くことは難しそう。
今日も会話は噛み合わないが、一応、私のことはわかっているらしい。
母は盛んに、私だけが頼りだと繰り返す。
他の人との面会は断っているが、私とは特別に会うことにしている、と言う(無論、そんなことはない……というか、私しか会いに行っていない)。
何だか母の不安が伝わってくるようで、しんどかった。
「あなたがいるから安心して寝られるわ」などと言いながら寝落ちしそうになったので、「じゃあ、そろそろ行くね」と退散することにしたら、「また会えるわね?」と一言。
当たり前じゃないですか。
でも、そんな風に言われたら、急に不安になってしまう。
もっと一緒にいてあげたいけれど、決まりは守らないと。
どうにか再手術を回避したので、そろそろ退院して、あとは通いでリハビリを……という話になっているそうで、具体的な日程や、その後のリハビリ通院については、主治医と施設で話を詰めてもらうことにした。
施設のほうでも、動線を見直し、部屋の模様替えをして待機してくれているそうだ。
とはいえ、こうして寝たきりに近づいていくのだな……という印象は重くのしかかる。
この一年の母の衰えには、会うたび胸が痛い。
色々な思いが交錯するが、まとめれば母に申し訳ないということになってしまう。車の中でちょっと泣いた。
明日は何か元気になれることをしよう。

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椹野道流
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