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ちょいちょい書くかもしれない日記(刈り込み)
母方の菩提寺に用事ができた。母に確認を頼まれたのである。
もはや知ったお坊さんは誰もいないが、一度行かねばならない。
こういうのは年をまたぐと継続案件みたいになって嫌なので、思いきって出掛けることにした。
ついでに、美容院にも予約を入れた。
美容院が、お寺のすぐ近くなのだ。変な組み合わせだけれど、便利!
そういえば散髪もまた、年内にやっておきたいことの一つだ。
多くの人は、サッパリした気持ちで新年を迎えたいと思うのだろう。
昔、大晦日に大掃除やおせちでバタバタしている母をよそに、父が「ほな散髪行ってくるわ~」と呑気そうに出かけるのがお決まりだった。
非常に苛つくが、いつも何度言っても散髪に行かない、見苦しさを気にしない人が、自分から行ってくれるんだからよしとしなくては……と怒りながらぼやいていた母の姿を思い出す。
家庭生活において、父は楽しい上澄みだけ掬うタイプの人だった。
親を悪く言ってはいけないのかもしれないが、父については出てくる思い出が95%、迷惑か自分勝手の2択なので、まあまあの自業自得だと思う。
ショートカットにしてからはこまめに美容院に通わなくてはならず、そこは面倒臭いしお支払いもかさむわけだが、日々のケアの楽さにはかえられない。
頭皮やうなじの凝りから来る激痛も、だいぶ軽減した。
何より、月に一度通っているマッサージの際、長い髪を結んであっちへ垂らしたりこっちへどけたり……という面倒臭いことをせずに済むようになったのがありがたい。
今日はカラーがなかったので、シャンプーからトリートメントを先に済ませてしまい、最後にカットという流れだった。
美容師さんはそのほうが少ない手順で済むのでいいのだろう。
ひとりでやっているので、そこは楽なやり方を選択してもらっていいのだが、どれだけ払ってくれても、ドライヤーでバサバサやってくれても、切った髪が必ず落ちて服の中に入るので、帰宅、即、風呂という流れになる。
トリートメントしてもらっているあいだ、思いのほか深く寝てしまい、カットの間も頭がずっとふわふわしていた。
起き上がるときに少しだけめまいが出たせいもある。
美容師さんとは長い付き合いなので、年末年始の過ごし方についてもざっくばらんに話す。
美容師さんは、見ていないドラマを見て、ゲームをして、ダラダラ過ごすそうだ。
それがいちばんですよね、などと言いつつ、「見るべきドラマをリストアップした」と聞いて、その几帳面さ、私にはないものだなあ……と感心した。
全部見ようとすると、なかなかタイトなスケジュールになるらしい。
休暇の過ごし方も若干ワーカホリックな気がする。
ソシャゲのお正月イベントにおける課金についても、悲しく語り合った。
帰り、お寺の用事の報告はまた後日、今日は届け物だけ……と施設に立ち寄ったら、「会っていかれますか?」と言ってくださったので、少しだけ母に面会してきた。
母に「今日はクリスマスだよ」と言ったら、「あらっ、じゃあお祖母ちゃんの誕生日じゃないの。プレゼントを用意してないわ」と少し慌てた様子で言った。
自分の誕生日のことはすっかり忘れているのに、母親の誕生日は覚えているのか……と心の中で驚く。
プレゼントがないことで軽いパニックになりそうな気配を察知したので、「私がちゃんと用意しておきました。これから届けるよ」と嘘をついた。
母はとてもホッとした様子で、「何でもあなたに任せておけば安心だわ」と言ってくれた(それ、もっと大事な局面で言ってほしい気持ち)。
祖母はとうに亡くなっている。
もはやお誕生日もへったくれもないのだが、この手の嘘は許してほしいところだ。今日の母の時間軸では、祖母は元気にしているのだろう。
1年使い倒した膝掛けがだいぶぼろっとしてきたので、今日は軽くて温かなものを差し入れした。
古いものを回収しようとしたら拒否されたので、そういう捨てない性格は相変わらずだなあ……と思いながら、そのまま置いていくことにした。
帰ろうとしたら、「クリスマスなんだから、せめてお小遣いをあげなきゃ。お財布はどこかしら。ハンドバッグの中に入ってると思うんだけど」と母が言う。
無論、無用なトラブルの元になるので、施設ではお金は持たせていない。
「お財布、ここにあるよ~」
また嘘をついているなと嫌になりつつ、自分の財布を渡した。
「これじゃない」と言われるかと思ったが、母は私の財布をぱかっと開けて一万円札を抜き出し、「お金で悪いけど、なんか好きなものを買いなさい」と言ってくれた。
せっかく母にもらったお金なので、小さく経済を回そうと思う。
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