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ちょいちょい書くかもしれない日記(忘却)

施設から、明日、午前の面会時間の30分前でよければ会っていただけますよ、と言ってもらえたので、早起きして行ってきた。
なるほど、修繕工事が入っているので、業者さんの車両で駐車スペースがほぼ埋まっているのだ。これではいつもどおりに面会予約を取ることはできないな、と理解。
受付で、「感染症対策おつかれさまでした」と、もち吉さんのおかき詰め合わせ(お値段のわりにボリュームがあって、素敵な箱に入っていて、しかも素直な味でおいしい)を差し入れに渡し、母の居住フロアに向かった。
母は何故か廊下のど真ん中に車いすで陣取っていて「遅い! ずっと待たされていたのよ」とご不快の模様。
介護士さんが「んなことないですよ」と笑っていた。ですよね。
居室に入り、許された15分ほどお喋りをしてきたが、母は先日の電話の内容も、弟が大怪我をしたことも、全部忘れていた。予想どおりだ。
ただし、「私の名義だけど、母専用にした口座に、母の代理人として不動産を売却したお金は全部入れてありますよ」という話はがっつり覚えており、持参した通帳の金額をたちどころに確認したあと、「これは確定申告のときにきちんと筋を通しておかないとダメよ」とまで言った。
どれほど認知症が進んでも、お金への執着は消えないと噂には聞いていたが、本当だな~!
私の誕生日祝いに好きなものを買いなさいと言ったのも綺麗さっぱり忘れており、「これ買ったよ」とピアスを見せたら、「まあ、みみっちい。ちゃんと両耳分買いなさい」と嫌そうな顔をされてしまった。
いや、こういうのは片耳のほうがすわりがいいんだよ……などと言い訳をしたが、聞き入れてはもらえなかった模様。
私が来るとおやつが補充されるということはわかっていて、全部チェックして、ショートブレッドを一枚、さっそくぼりぼりと食べていた。
帰り、介護士さんに、「栄養士さんの奮闘を軽視するつもりはまったくないけれど、もうあまり厳しく節制させても意味はないと思うので、お菓子を食べたがるときは、我慢させすぎずにそこそこ食べさせてもらえると嬉しい」とお伝えした。
栄養管理をきちんとしてくださっているのがわかっているので、こういう我が儘を伝えるのは心苦しい。
でも、食べたいものを我慢させて永らえる命に、もはや意味はない気がするのだ。
早く死ねばいいなどとは決して思わないが、3分と記憶がもたない中、明確に食べたいと思うものがあるなら、せめてそのささやかな欲だけでも満たしてあげたいというか。
私が「いいよ!」と伝えておけば、母がごねたとき、「ご家族さんの要望やから」とお菓子を支給するエクスキューズには使えるだろう。
今日はケアマネさんが不在だったし、介護士さんが皆さん大忙しだったので、母の体調や今後のケアプランについては聞けなかった。また今度。
面会停止が1ヶ月以上続き、母に会うのは久し振りだったが、入院生活ですっかり細くなった脚の筋肉量が回復した気配はない。
現在の歩行状態については聞いておきたいところだ。
敢えて上着のスナップを自分で外してもらったら、手はそこそこ動いていた。こちらは多少回復傾向か。あるいは日によってムラがあるだけか。
色々な身体機能を、短い時間でなるべく確認していく。
車いすの足置きが取り外されていたので、あとで介護士さんに訊ねたら、あるとむしろ足を引っかけて転倒の原因になるので、移動するときは足をちょっと上げさせることで対応するほうが安全だということになったらしい。
なるほど。色々ご苦労をおかけしている……。
入居時は足置きをちゃんと自分で上げ下げしていたので、やはり認知症は着実に進んでいる。
居室の洗面所のシンクの汚れが前回から気になっていたので、今日は母とふたりきりになったとき、持参したスポンジと雑巾で綺麗にしておいた。
限られた人数でのお世話だから、手が回らないことも多々あるだろう。
気づいたことは、私がやればよいのだ。
こういうとき、ニトリの使い捨てアイテムがとても役に立つ。

施設からまあまあ近いので、帰りにスーパーマーケットに寄り、買い物をした。
ついでにコンビニにも立ち寄ったら、初めて見るバイト店員がいた。
店長に「僕ね、途中で他の作業を挟むと、もともとやってたことを忘れちゃうんです。そういう特性なんで。レジ打ちの最中に、アメリカンドッグを取りにいくとかがヤバいです」とド正直に打ち明けており、店長も「そうか~。そやけど忘れたらあかんこともようけーあるから、いちばんええフローを一緒に作り上げていこや。あかんこと、言うてくれてありがとうな」と返していて、たいへんよき職場だった。
サポートするぜチャンネルが、心の中で即座にオンになった。
そのバイト店員が、私が籠に入れまくったキャットフードを見て、猫ちゃん飼ってるんですかととても羨ましがってくれた。
かつて文鳥を飼っていたそうで、「私も~!」からの、「ささくれ絶許吸血バード」の話で短く盛り上がった。
店長が、彼を採用した理由がわかる気がする。
人柄が明るくてとてもよい。きっと愛されるスタッフになる。
楽しくストレス少なめで作業ができる、よきフローが組み立てられますように。嫌なお客さんに極力当たりませんように。
私、本当は猫のごはんと一緒にアメリカンドッグを買いたい人なので、よろしく頼むよ。

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椹野道流
こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。