ちょいちょい書くかもしれない日記(中華料理)
両親が長年行きつけにしていた中華料理店は、どうも弟ではなく、私のほうを「跡継ぎ」と認識したらしい。
まあ、両親に付き合ってよく行っていたので、私のほうにより馴染みがあるからだろう。
それは大変光栄なことだし、とても美味しい店なのでこれからもずっとお馴染みでいたいのだが、いかんせん、円卓料理なのだ。
ひとりでふらりと行って食べるというのは難しいので、友人知人がこちらに来てくれるタイミングで付き合ってもらうことにしている。
予約の電話をして名前を告げると、問われるのは日と時間だけ。
「いつものようにご用意しておきます」と言われて、当日は、生前の父が好んだコース料理が供される。
今のところ、私に選択権はない。それでいいのだ。
神戸の円卓中華料理は、基本的に余って持ち帰ることが前提の量が出るので、折詰を持って帰って、翌日の昼に味が馴染んだ料理を楽しむのがお約束である。
味の濃さ的にも価格的にも、そうしょっちゅう食べられるものではないのだが、少しずつ洗練されてきてはいるものの、根本は変わらない料理の数々に、懐かしく満たされる。
店はどっしりと流れるように、客のほうはやや危なっかしく代替わりする。
それが老舗の醍醐味かもしれない。
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