ちょいちょい書くかもしれない日記(めまい)
朝起きて猫の世話をしようと起き上がったら、世界がゆっくりと回った。
うおわーと両手で身体を支えながらも、例の奴ふたたびだな、と思った。
良性発作性頭位めまい症。
全部盛りみたいな病名だが、私のめまいはこのタイプだ。
耳石が剥がれ落ちて半規管の中に落ち、それが動くことで発生するめまい。
まあ、実にちょっとしたことなのだ。
でも繊細な場所だけに、細い管に砂粒が落ちたくらいのことで、平衡感覚が大慌てになってしまう。
前回は数日で自然治癒したが、今回もそうとは限らない。
年末年始の休診期間もあることだし、今のうちに……と駅前の耳鼻咽喉科を受診することにした。
そうだろうなと思ってはいたが、待合室はもはや発熱外来と化していた。
できるだけ隅っこで、静かに待つ。
良性発作性頭位めまい症の診断は、目元にカメラを装着し、頭の角度をさまざまに変えることで、めまい、つまり眼振を誘発するテストが必要となる。
わざと目が回る動きや姿勢をするわけで、気持ち悪いが仕方がない。
「あ、バッチリ眼振出ましたね~」
先生が、いつものように淡々と仰り、薬を処方してくださった。
「これ、なんで起こるんですかね」
「んー、原因は不明だけど、おおむね、加齢? あとは女性ホルモンの枯渇とかもあるって言われてるけど、結局それも加齢よね」
身も蓋もねえ。
もうちょっと奥ゆかしい説明をしてくれてもいいのだが、加齢ならば仕方がない、という気持ちにもなる。
「まあ、疲れてるときになりやすいって言う人も多いから、しっかり休んでね」
はあい、と返事をして、アレルギーの薬の処方もお願いした。
帰ったら世界がやっぱりぐらんぐらんするので、諦めて夕方まで寝た。
起きたら少しマシになっていたので、猫たちの世話を焼き、夕食を作った。
いつもと違う、いわゆるご馳走の類を食べると、てきめんに野菜不足を身体が訴える。
実家があって叔父叔母が帰省してきていた頃、お正月に必ず体調をこっぴどく崩していたのも、原因は年末年始のいつもと違う食事だった。
ふだん、きっちりした食事は夕食だけなので、毎日3食食べるだけでも身体を壊すのである。
ひとりになってもろもろ簡略化されたとはいえ、年末年始は友人たちが来てくれるので、やっぱりおいしいものをたくさん食べる予定。
それまでは、せいぜい節制しよう。
今週は、母関係の予定が金曜までびっしり入っている。なるべくミスなくやり遂げて、気持ちよく年末年始の休みに入りたい。
年内に報告がてら、母にもう一度会いに行ければいいのだが、微妙なところだ。
母の友人が、母に会いに行き、色々思うところはあったけれど、行ってよかった、また別の友達を連れていきたい、と言ってくださった。
やはり、記憶の中の友達と、今、目の前にいるその人とが、母の中では容易に一致しないらしい。
弟いわく、母の「今」は、思い出の中の色んな地点へ飛んでいってしまうのだとか。
それがどんな感じなのか、私には想像もつかないけれど、今の母は、むしろずいぶん自由に生きているのかもしれない。
お友達は、父のためにも美しいお花を送ってくださった。
猫がいるので、ユリが入っていると置き場所に悩むのだが、今回はカサブランカフリー。
ありがたく玄関にどーんと飾らせていただいている。