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ちょいちょい書くかもしれない日記(陽射し)

いやもうこれ、秋の陽射しじゃないよね……?
夏野菜の苗が枯れこんできたので、支柱から外してパキパキ切り、腐葉土を作るための場所に放り込む作業をしたいのだが、あまりにも眩しくて暑くて、5分で家の中に逃げ帰ってしまった。
数年前から育てているミニトマトの品種はとても樹勢が強く、2mを軽やかに越えてくるので、後始末もなかなか大変だ。
山の中の家だから、ただ抜いたり切ったりした草木や、専用の乾燥機で乾かして手で荒くくだいた野菜くずや卵の殻、それに米ぬかを無造作に重ねておけば、勝手に虫たちが分解してくれる。
いつの間にか出来上がる雑な腐葉土は、色々な虫たちの家になる。そうした虫たちごと、初冬に半分ほど掘り出して、庭じゅうに撒き散らす。
特に嬉しくも楽しくもなく、SDGsなんていう小洒落た言葉とも関係なく、ただ普通に、資源を庭の中で回す作業をしているだけだ。
ただこの夏は雨が少なすぎて乾燥しがちだったから、腐葉土の出来はあまりよくない、というか遅い。
使えるのは来年になってからかも。
代わりに、庭でもさもさ茂るコンフリーとイラクサを引っこ抜き、貯めてあった雨水に放り込むだけの液肥はよくできた。
臭いが強烈なので、そこだけはあまり嬉しくないけれど、生体を腐らせれば臭うのは当然なのでやむなし。
蓋付きの小さめのバケツでこまめに作って、早めに使い切るようにしている。

夕方に猫たちの世話を済ませてから、粉をこねて春餅を作った。
生地を寝かせているあいだに入浴して、昨日のローストチキンの肉を裂いて、玄関でもいできた名残の胡瓜を切って、白髪葱を作った。
春餅の生地をのばすときには小さめの麺棒がほしいけれど、ないので製菓用のでかくて太い麺棒で無理矢理のばした。
油をつけて重ね、くっつけてのばした生地を、焼いてから二枚にはがすのが楽しい。
広げた春餅に甜麺醤を塗って、野菜と肉を巻いて、もぐもぐ食べる。
北京ダックのご家庭版のようなものだ。
焼きたての春餅は、ほんのり温かくて柔らかくて香ばしくて、とても美味しい。
ずっと誰かのために料理をしてきたから、ひとりで作ってひとりで食べることに不慣れだった。
唐突に家族が実家から消えて、この1年余り、戸惑いながら料理をしてきたけれど、ようやくひとりの食卓を楽しめるようになってきた気がする。
でもやっぱり私は、誰か他の人に食べさせるのが好きなんだな、と思う。
いつか誰かに、春餅を使った料理を振る舞えたら嬉しい。


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椹野道流
こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。