ちょいちょい書くかもしれない日記(歯を食べてしまった)
朝イチで歯医者さんに電話して、夕方の予約を入れてもらう。
受付のお姉さんが「ちょっとお待ちください……」と言って実際ずいぶん待ったあとでの提案だったので、おそらく本気でねじ込んでくれたんだと思う。
申し訳ないが、奥歯が砕けて三割がた不在というのはどうにも恐ろしいことなので、お言葉に甘えて行かせていただくことにした。
その前に、母のお見舞い。
お見舞いというか、リハビリのモチベーションが皆無なので、是非励ましをと主治医に言われたので、ちょっと気合いを入れて出掛けた。
しかし母本人は、自分が怪我をしたことも、手術を受けたことも、今病院にいることも、リハビリをやったこともすべて頭から抜け落ちているので、励ましも何もしようがないのであった。
ついでに私のことも「誰か知らんけど以前見たような気がする親切な人」だと思っている。
でも、かつて私の足のリハビリを支えてくれた母なので、母のリハビリは私が支えたい。
入院しているので送迎がない分、せめてお喋りをして気持ちを上向きにしてあげたい。
立てるようになろうねえ、そしたら色んなことが便利になるよぉ、と明日も言いに行こうと思う。
歯医者さんには、人生のかなりパイセンが二人おられた。
そのうちの男性のほうは、95歳で一人暮らしをしているのだと歯医者さんが教えてくれた。
す、すごい。
奥歯は全部きちんとやりなおそうとガリガリ削られた。
「痛かったらすぐ言ってくださいよ」
「わかりましたー!」
ガリガリガリッ。
「痛っ!」
「ああ痛かった、ごめんごめん、了解しました」
ガリガリガリガリッ。
あっ、これ痛いって言わせてくれるだけのやーつ!
了解したけど特に何もしてくれないやーつ!
早々に察したので、あとは黙って耐えた。まあ耐えられる程度だったとも言う。
型を取り、仮の歯を整えてもらって、来週の予約を取った。
マウスピースも、柔らかいのを作り直してくれるそうだ。ありがたい。
歯医者さんは父の年上の友達で、母とも面識があったので、「お母さんどうしてはるん?」と訊かれて正直に話した。
「それはつらいな。お母さんがやないよ、あなたがつらいな。ほんまにつらいな」と、沈痛な顔で私を思いやってくださった。
他人様の優しさで生きている、と今日も感じる。
「ところで、割れた歯はどこにやったん?」
「あー、たぶん食べましたね」
「ほー、今頃骨になっとるな」
そんなわけがあるかい。
たいていの大阪のおっさん、真顔でしょーもない嘘言うん何なん。
そのあと、大阪で用事を済ませて帰ったので、少し遅くなった。
猫たちは、ごはんごはんと夕飯を待ちわびていた。
隔離中の猫もそうである。
今日は、新入り猫の部屋を、先住猫たちが入れ替わり立ち替わりチョイ覗きしに来た。
末っ子猫は、ぴゃーんと鳴きながらやってきて、なんだかんだ新入り猫の近くにいる。
ドサクサで、一瞬のお鼻挨拶にも成功していた。
仕事が早い。