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この仕事を選んだ訳

結論から言うと、
私が今の仕事をしているのは
自分が望んだわけではなく、
社内で異動になったからです。

今、私は、社内で生産した製品の
検査と出荷業務を担当しています。
毎日、沢山の製品が上がってきます。
製品はとても細かく、製品毎に検査項目が違い、検査に少々技術を要する場合もあります。
納期は短く、時には上がってきたその日に
出荷しなければいけない事もあるほどです。

入社時、私は事務系の職場を希望し、
希望通り総務に配属されました。
窓口業務でお客様に対応したり、電話を取り次いだり、経理関係の仕事もしました。

総務に籍をおいて30年近く経った頃、
歳のせいなのか、もともとの性格のせいなのか、接客業務をとても重荷に感じるようになっていました。
若い頃は、それこそ笑顔で大抵のことは
切り抜けられましたが、40歳も半ばになると
そうもいきません。
自分のコミュニケーション能力に限界を感じながら仕事をこなす日々でした。

そんなある日、現在の職場への異動を命じられました。
しかし私はとても不器用で、細かい製品など
扱える気がしませんでした。
接客もいや、細かい仕事も出来ない。
長年勤めた会社だけど、とうとう辞めなければならない日がきたかと思いながらも
新しい職場での仕事が始まりした。

異動してからの日々は…
意外にもとても居心地がよく、
接客もないので、自分にはぴったりでした。
細かな作業も集中してやれば
大丈夫です。

自分が選んだ仕事を出来るのは
とても幸せな事ですが、そんな夢が叶うのは
多分、ほんのひと握りの人だと思います。
希望する会社には入れても、そこで希望する職場に配属されるとは限りません。


しかし、私のように自分でも気づかずにいた
意外なものに適性がある場合もあるのです。

最初から出来ないと決めつけるのではなく、
でも退職のカードはいつでも出せると言う
開き直りのような気持ちも持ちつつ
与えられた仕事をやってみるのも
有りかも知れません。

私は今年で定年になります。
けれども、仕事は嫌いではないし、
定年後は会社への恩返しの積りで
暫くは今の仕事に
携わりたいと思っています。

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