カムバックに想うこと
ひとまず新曲リリースおめでとうございます。
さて
新参者のARMYではありますが、ここ数年、新曲リリース=カムバック(Kpop
ではそう言います)の日は、その時間に合わせて、パソコンに張り付き楽しみに、その瞬間を楽しんでいる私。
思えば昔トシちゃんだったり、聖子ちゃんだったり、のCDは、レコード店で予約して、発売日にウキウキして買いに行きました。ですが、今。地球上の様々な国籍の方達と同じその瞬間をワクワクして感動できる、イベントのような感覚であります。サイトにはひっきりなしにコメントが流れてきますし。 かつてひっそりと手にしたCDを一人で聴く空気感とは、全く違う高揚感です。
そして今回の 「Yet to come」。初見の印象は、バラード的だと予測していたので、驚き感はなかったです。そして改めて彼らの歌唱力に驚いたわけです。JKはもちろん完璧ですが、Vの声というか発声に驚愕。ある男性オペラ歌手が以前、BTSのVの声帯を誰もが所持できたらどんなに良いだろう、というようなコメントをしていました。彼の発声は、バリトンの深さと太さを持ったテノール歌手のような印象。そして新曲では、同じ旋律を歌っても、Vはどこか哀愁に満ちた仕上がりになっています。理由は深さのある発声と持ち声でしょう。素敵です。
そして楽曲について思ったこと。なんとなく個人的印象ですが、AメロとBメロ、そしてラップの三つが融合されループされている気がします。要するに、そんな複雑な作りではない、ということ。ですが彼らの歌と、三様の個性を持つラップラインの効果で、ハートに響く作品になっていますよね。
MVでは、初期からのARMYが興奮するオマージュ的要素がたくさん散りばめられています。その点は新参者の私は、復習するにとどめますが。
そして「Yet to come」のメッセージ性。今回一番私が感じたのは、彼らの<今>の着地点としてこの選択肢しかなかったのだよね、と。アメリカ進出、数々の賞レースにも参戦。国連演説や歌唱、ホワイトハウスにも招かれたというグローバルな彼ら。近年は三曲英語の楽曲を発表しました。グラミーも取れるのではないか、と注目されました。思えば、英語三部作は彼らにとっても挑戦でしたし、世界へ向けた楽曲作りを確実にしていたわけです。「Dynamite」はマイケルを彷彿とさせる懐かしいアメリカンなポップ。「Butter」は欧米、ラテン系の方々が好むグルーヴ感ののあるダンサブルな曲。そして「Permission to dance」はコロナ禍で苦しむ全世界に向けての明るい応援歌でした。これらは、みんなが、人々が、どう感じるだろう、何を思うだろう、という事を想像して発信したメッセージでしたよね。
ですが、今回の曲は、<自分達がこう思っているんだよ>という主語が自分、のものでした。歌詞にもある通り、<ただ歌が、音楽が好きなだけなんだ>という、ある意味賞レースや記録などはもうどうでもいいんだ! というような叫びにも似た声が聞こえてくるようです。そしてある意味頂点に上りつめた者の宿命、を私は感じてしまったのです。頂上に居座り続けるため、もがき続けるのか。頂上で、もう身動き取れず、一旦リセット=休止 するのか。彼らはその二つどちらも選びませんでした。ありのままの自分らしい姿で、ゆっくり歩み続ける覚悟。時には下り坂になる道でも自然体で、音楽を愛しながら歩いていきたい、そんな気持ちを感じました。
外の目を気にした作品ではなかったこと、それが私は一番嬉しかったですし、とても納得のいく選択だ、と妙な安心感を今回は感じたのですよ!
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