夕陽を眺める時間が大切

海辺にたくさんの人がいる
みんな夕陽を眺めている
子供を連れた家族
学生のグループ
疲れ気味の大人たち・・・

いろいろな人たちが
同じ景色を眺めている

太陽が地上に近づくと
空は青からオレンジへと
無数の色を使って
丁寧に様子を変えて行く

海面には岸と空を繋ぐように
光の道が走っている

太陽は地上に近づくにつれ
さらにスピードを上げている

たくさんの人たちは次第に口数が減り
目の前の光景に惹かれて行く

自分の眼でも見たいし
写真にも撮りたい
大人達がソワソワしている中
子供たちはお構いなしに走り回る

丸い太陽が半分になり、細くなり
最後の光が見えなくなる瞬間
あちらこちらから
ため息のような声がもれた

きれい、すごい、寂しい、ありがとう
いろいろな感情が心の中で入り混じる

同じ夕陽を見ていた人たちは
それぞれに何を感じるのだろう
それぞれに何を思うのだろう・・・

オレンジ色をバックに
シルエットで浮かび上がる
たくさんの人影を見ながら
ぼくはふと思った

こんな風に夕陽を眺めることが大切なんだ
ゆっくり動く太陽が忙し過ぎる時間を止めてくれる
広い空と広い海が気持ちにゆとりを与えてくれる
二度と無いこの光景が本当に大切なモノを思い出させてくれる
もっと、もっと、たくさんの人が
こうして夕陽を眺めたら
世の中は少し変わるんじゃないかと
。

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